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    経済成長とデフレ解消の為に

    2013年10月24日(木)

    カテゴリー» 政治レポート

     消費税を目的税にすることと所得税の減税を思い切ってやることに加えて、もう一つは預貯金の活用を図ることである。個人金融資産が依然として1,600兆円近くあり、預貯金だけで860兆円ある。この預貯金が国内で回り始めれば景気は回復してくるはずだが、金融機関に眠ったままになっている。今までは国債の引き受けに相当回されていた。日銀が金融緩和で国債を市場からどんどん買っているので、民間の金融機関の国債の保有残高はここのところ減ってきた。しかしそれが企業への貸し出しという形で使われているわけではない。

     私はこの眠っている預貯金を活用することが極めて大事なことだと考えている。以前に国民新党の経済対策の中で提言したことがあるが、この際「無利子非課税国債」を思い切って発行すべきだと思う。利子は付かない代わりに相続税、贈与税を免除する。現実に預貯金860兆円の多くを高齢者が持っている。預貯金ゼロの世帯が全体の3割もある中で、ものすごく富が偏在しているのだが、リッチなお年寄りがまとめて持っているお金を表に出してもらって活用すべきである。今、金融機関に預けてもほとんど利子が付かないのだから、無利子であっても相続税、贈与税がかからない国債に魅力を感じる人は多いと思う。無利子なので財政負担はない。だからそれを有利子の国債の償還財源に充てればいい。また金融機関が預かっている預貯金は表に出ているものだが、貸金庫等に眠っている、いわゆるタンス預金も巨額にあるはずである。無利子非課税国債によって、これが表に出てくると思う。

     財政が大変だと言って消費税を導入してから既に24年が経っている。だが日本の財政はよくなるどころか悪くなる一方である。消費税を少々上げたところで日本の財政は健全化しない。そんなことより860兆円もある預貯金の活用、特に一部の富裕層の眠っている預貯金を活用する知恵を出すことの方がよほど財政改善への効果が大きいと思う。安倍内閣は大型の公共事業を含め5兆円規模の経済対策を年内にまとめると言っているが、財政が厳しいと言って消費税を引き上げることを決めた時にまた巨額の財政支出をすることは、財政健全化に逆行することであり、自分で自分の足を引っ張っているようなものである。

     更に私は以前から主張しているが、財政投融資の過去の実績をもう一度検証して、新たな財政投融資の活用を考えるべきだと思っている。小泉政権の時に財投の見直しを強引に進める為に、その財投原資である郵貯を民営化して財投の入口を閉じてしまうことを小泉、竹中両氏が主導した。その結果として多くの政府系の金融機関が民営化された。巨額の不良債権を持っていたのにそれを明るみに出さずに闇から闇へと葬ったまま民営化してしまった。民営化して一般の金融機関になると、いわゆる政策融資などは考えなくなってくる。その為に地方で地域振興の為に役に立つような仕事をやっている企業が、資金繰りでうまくいかなくて倒産してしまうというようなことが続いたのである。やはり政策投資、政策融資は大事である。国のあるべきビジョンを国土計画としてきちんと示して、活用すべき財投機関や政府系金融機関の役割をここで改めて考えるべきだと思う。

     官民を問わず日本の国内への投資が決定的に不足していることが、デフレが解消しない、消費が伸びない大きな原因になっている。やはり海外の事業化や投資家が進んで日本に投資をしたり事業を展開したり、多くの観光客が日本に遊びに来るような魅力を取り戻すことが大事である。富士山が世界遺産に登録されて観光客が増えているようだが、そういう自然遺産を活かす為にも必要なインフラ整備を進めて、海外の人達が日本に目を向けるような環境をつくるべきだと思う。これは民間だけでできる仕事ではない。まさに官主導でやらなくてはならない。インフラが老朽化してトンネルが崩落したり、橋が落ちたり、道路が決壊したりしている。ここにきて自然災害も多発している。その為のインフラ整備も必要である。その為にも財政投融資の仕組みも活用すべきだと思う。

     繰り返しになるが、中間所得層を中心とする所得税の減税と消費税の目的税にすること、更に外貨準備金や個人金融資産の活用などを思い切ってやれば日本の経済は大きく変わってくるだろう。今必要なのは、政治家が政治家らしい判断をして大鉈を振るうことだと思う。

    経済成長とデフレ解消の為に

    2013年10月23日(水)

    カテゴリー» 政治レポート

     参議院選挙後初めての本格的な論戦の場となる臨時国会が現在開かれている。TPP交渉、原発事故の処理、集団的自衛権、国家安全保障会議の設置とそれに関連する特定秘密保護法案等多くの課題があるが、やはり国民にとって生活に直結する消費税率の引き上げが決まったことで国民の消費にどう影響を与えるか、日本経済がどうなるか、そこが国民にとって最も関心が深いところだと思う。

     消費税を5%から8%に引き上げることを前提にして、住宅をはじめとする大きな支出を必要とするような物品の購入等、いわゆる駆け込み需要で来年の3月末まで消費は増えていくだろう。昨年、安倍政権が誕生して以来の円安と株高によって一部の富裕層が巨額の利益を得ているし、そういう人達がかなりの高額の商品を買うような動きも顕在化している。ただ円安・株高がずっと続くようなものではない。日銀の黒田総裁が言い続けている「2年後に2%の物価上昇」が果たして実現できるのかどうか、全く予断を許さない。

     安倍内閣の経済財政政策はやはりアメリカを強く意識した、アメリカ経済を支える為の政策と大企業優先の政策の流れが極めて明確に表れているように思う。アメリカは実質的には財政破綻しているわけで、最近でも大統領と議会が対立して政府機関が一時機能を停止する状況になって国際的な不安が広がった。一応来年2月までの国債の発行を認めるということで何とか凌ぐということだが、その先がどうなるかまだわからない。日本も借金まみれだけれど、アメリカはそれ以上に借金まみれである。日本の場合には国債の引き受け手があるから政府機関の機能停止というようなことにはならないが、アメリカの場合にはまさに政府が動かなくなってしまうようなことがある。

     その為にアメリカ国債の引き受け手を常に確保しておかなければならない。その主要な担い手は日本であり中国である。中国はアメリカと対等の立場に立ち、またこれからの経済の潜在成長力も大きいことからアメリカは中国にはあまり強いことは言えない。一方日本に対しては完全に抱え込んでいるという意識で半ば命令に近いような指示を出し、日本はそれを受け入れざるを得ないような状況になっている。そういったことを考えると、本格的な経済の回復と同時にデフレを解消させる為には、中間所得層を中心にした多くの健全な国民の可処分所得を少しでも増やして、個人消費を伸ばしていくことに尽きると思う。

     安倍内閣は法人税の引き下げや投資減税など大企業が喜ぶような政策を実行し、その一方で得た利益を従業員の所得に少しは還元しなさいというようなことを言い、経済界はそれを受け入れるような言い方をしているけれど、確たる保証があるわけでもない。今の大企業の経営から見ると、決して額面通りに受け取れない。大企業は国内で物が売れないことがわかっているので、国内への設備投資はしないし、事業展開は外へ外へと向かっている。儲けたお金も国内で回らず海外で回ってしまっている。しかも内部留保はどんどん積み上がってきているわけで、それが多くの従業員の所得に還元されていれば、その人達の消費ということで国内経済に寄与するわけだが、それもない。

     私が思うのは、一つは所得減税である。消費税を上げるのであれば同時に思い切って所得税を下げるべきである。高額所得者は税率が下げられて減税になっているが、中間所得層は減税されてはいない。逆に定率減税を廃止したことによって増税になっている。以前私は予算委員会で「所得減税をやるべきだ。」と主張したが、財務大臣は「その財源がない。」と答弁するばかり。しかしながら大きく積み上がっている外貨準備金を活用すれば巨額な為替差益が出ているので、そのごく一部を充てても相当な所得減税が実行できる。今の一般会計の中から出す必要は全くなく、その為替差益を外為会計から一般会計に繰り入れて減税の財源にすればいいのである。それと消費税の税率を上げることの理由として、財務省は社会保障費がどんどん膨らんで財政を圧迫しとても国の財政はもたない、益々借金は嵩むという言い方を常にするけれど、私は以前から指摘しているが消費税の税収は社会保障にすべて使われているとは思えない。法人税の税率を何回も引き下げて、そのことによる一部の大企業への減税と高額所得者への所得税の減税分を補う為に消費税の税収が充てられているという計算が明らかに成り立つのである。そういうことがあるから消費税を絶対に目的税にしようとしない。あくまでも一般財源として確保して何にでも使えるようにしたいのだろう。社会福祉の為に使うのだと強調するのであれば、国民に中身をもっと明らかにして、年金、医療保険、介護保険等をこういう仕組みにしますからこれだけの財源が必要になるので、消費税によって国民に負担をお願いしたいと、使い道を明確に示して理解を求めれば国民も了解をするだろう。ところが今は何に使われているかわからないし、しかも国民を騙すようなことをやる。これは許されることではないと思う。(続く)

    核兵器不使用について。

    2013年10月23日(水)

    カテゴリー» 政治レポート

     今年5月にこのホームページに掲載したが、核不拡散条約(NPT)の締約国会議で核兵器の不使用を訴える決議に日本が反対したことに対し、日本の国是ともいうべき核廃絶に反する行動を取ったことは全く考えられないと私は厳しく批判した。私が思った通り、決議に反対したことに色々なところから批判が高まった。被爆地の広島、長崎の方々はもちろん、各地のNPO等が署名を集めたりするなど、抗議が静かなうねりとして出てきた。

     そのことが背景にあったからだと思うが、今度は国連の軍縮委員会で、改めて核兵器の不使用に関する共同声明を出す動きが盛り上がってきて、それに日本も署名することを明らかにした。当然といえば当然のことであるが、政府の間違った判断を民意が正していくという大きな一歩だったと思う。大変結構なことだと思うし、私が批判をしたことが一つの良識として国民の間に出てきたことについて安堵感を覚えた。

    消費税について

    2013年9月7日(土)

    カテゴリー» 政治レポート

     財務省は所得税減税を実行しようとしてもその財源がないとすぐに言うが、一方で外国為替管理会計に100兆円を超えるお金が眠っている。近年ドル安が進み、弱くなっていくのを買い支える為にアメリカの要請を受けてアメリカの債券を買わされてきた。かつて1ドル80円前後だった頃に大量のドルを買い、それが昨年末以来、円安が進みドルが高くなって現在では1ドルが100円近くなっている。ドルが高くなり、ドルを買い支える役割は果たしたわけだから、その一部を思い切って売れば巨額の為替差益が出る。これを使えば所得税の減税は十分にできるはずである。

     政府が外為市場に介入する時には財務省の短期証券を市場で売却して得たお金でドルを買っているのだが、金融機関が短期証券を引き受けているその原資は国民の預金に他ならない。それが国民の為に全く活かされずに眠ってしまっているのだから、これは当然ながら国民に還元すべきであろう。

     私は消費税の税率を今引き上げることはやるべきではないと思う。本来消費税を上げたら物が売れなくなると考えるのは、商売をやっている人からすれば常識だと思う。それなのに経団連をはじめ経済団体が消費税の引き上げに賛成だということからして、ちょっとおかしいと思わない方がおかしい。何かカラクリがあるのではないかと思う方が普通である。経団連の中枢部はやはり輸出産業の力が強い。そしてそういう企業がテレビをはじめマスメディアのスポンサーになっている。従ってメディアもこういうことを明らかにしようとはしない。そういう中で何も知らない国民がひどい目に遭うのである。

     私は当然間接税は必要だと思うし、直接税と間接税の比率が半々ぐらいになることは決して間違いだとは思わないが、既に税収の構成比率から見ると消費税が24.7%と約4分の1を占めている。仮に消費税が10%になった場合には税収の40%近くを占めるようになる。

     消費税が社会保障の為に使われることがはっきりする目的税になれば国民は納得するだろうが、今のように実際にどのように使われているかが国民に明らかにされていない中で、消費税率だけを引き上げていくことには私は賛成できない。ところがこういう意見は今回の有識者ヒアリングで誰からも出てきていない。消費税を上げることは景気回復の足を引っ張ると言っている人はいるし、低所得者に極めて負担が重くなるから軽減税率を考えるべき、複数税率にすべきだという意見は確かにあるが、消費税そのものが果たして公平な税制になってきているのかどうかという議論は全く出てこない。そういうことを国民に明らかにした上で、消費税を増税するかどうかを判断すべきではないだろうか。(了)

    消費税について

    2013年9月6日(金)

    カテゴリー» 政治レポート

     私はかつて予算委員会で、消費税を社会保障目的の為に使うのであれば、堂々と社会福祉目的税にすべきだと何度も問い質した。財務省は社会保障の為に使いますと言うけれども、目的税には絶対にしない。それは社会保障の為だけに使っていないということの裏返しなのである。だから常に一般財源として消費税を徴収し、その税率をどんどん引き上げていきたいというのが財務省の本音なのである。

     国民は税の負担をする時に、どういう使われ方をしているのかが一番知りたい。無駄な使われ方をしているのではないかという不信感が常にあるわけで、現に無駄な使い方を一部でしてきたことは間違いない。だから年金にしても医療にしても、安心して暮らせるように見通しをはっきり立ててほしいというのが多くの国民の願いである。年金はこういう制度にします、医療や介護はこういう仕組みにしますというように、社会保障の全体像を明確に示して、その為にはこれだけの財源が必要なので、その財源は皆様方に幅広く負担をしていただく消費税をもって賄います、だから因果関係をはっきりさせる為に目的税と致しますと言えば、国民は納得すると思う。

     経済評論家の岩本沙弓さんが著書「バブルの死角」の中で、いみじくも私が言っているようなことを指摘されている。その中で元国税庁職員だったある学者の説を引用しておられた。1989年の消費税導入の時に、それまで42%だった法人税の税率が40%に引き下げられ、更に翌年の1990年の37.5%に引き下げられた。その後段階的に引き下げられ、1997年に消費税率が3%から5%に引き上げられた、その2年後の1990年に法人税率は30.0%に引き下げられている。昨年の8月に消費税法案が国会を通って5%から8%、8%から10%と段階的な引き上げが示されたが、その少し前の昨年4月、法人税率は25.5%に下げられている。

     消費税が導入された1989年から2012年までの23年間に納められた消費税の総額は202兆円。一方、法人税の税収は295兆円。仮に消費税導入当時の40%の法人税率が今も続いていたとすれば、この23年間に法人税収は456兆円あったはずである。つまりその差額の161兆円は法人税率の引き下げによるものである。一方で所得税を見ると、消費税導入前年の1988年までは高額所得者の税率は2,000万円〜5,000万円の人は50%、5,000万円を超える人は60%だった。ところが現在、2,000万円以上は一律40%である。かつて50%や60%の所得税を納めていた人達は明らかに減税されている。その高額所得者の減税分は年間2兆円になる。23年経っているので単純計算で46兆円となる。法人税の減税分の161兆円と所得税の高額所得者の減税分46兆円を合わせると207兆円になる。消費税の総額は202兆円。要するに法人税の減税分と所得税の高額所得者の減税分によって減った分を補う為に消費税の税収を充てていることが明白である。そういうところに使っているから財政もよくならないし、社会保障も安定しないのである。

     そういうところを全部隠してしまっている。法人税率が下げられ、一部の輸出大企業が消費税を負担せず、輸出還付金を受け取っている。当然利益が上がって内部留保が増えてくる。それなのに更に法人税の引き下げを要求している。しかもそういう大企業が得た利益を従業員の所得に思い切って還元しているかといえば、株主への配当を増やし、役員の所得は増やしているけれども従業員の所得には還元してこなかった。安倍首相に言われたものだから多少ボーナスを増やしている企業もあるけれど、企業は株主と経営者のものだというアメリカ的な経営者の考え方になって、ここ20年の間、大手企業の役員所得は平均して2倍になっているのに、従業員の所得は減っている。

     内需を拡大していく為に最も重要な個人消費を増やしていく為には、国民の懐を豊かにしなくてはいけない。まず日本を支えてきた中間所得層を中心にした個人消費の力を活性化していく為には、国民の可処分所得を増やすことを考えるべきで、消費税の増税を行うのであれば、同時に中間所得層を中心とした所得税の減税を思い切ってやるべきである。(続く)