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    郵政民営化に反対する理由2

    2005年1月31日(月)

    カテゴリー» 政治レポート

     今国会で最大の争点となるのは、なんといっても郵政民営化問題です。小泉首相は若い頃から郵政事業の民営化に異常なほど執着しており、国会答弁でもこの 問題になると、すぐに興奮して絶叫するのは皆さんご存知の通りです。その割には国民の関心度は低く、むしろ経済や年金問題、イラクへの自衛隊派遣や憲法改 正問題等、人々の関心は別のところにあるように思います。通常国会が開会しましたが、郵政事業の民営化には野党のみでなく、自民党議員の多くが反対してい ます。かつての国鉄のように赤字経営に苦しんだりストを繰り返しているわけでもなく、郵政事業を民営化してほしいという強い声は、国民からは全く聞こえて きません。それどころか、私の事務所には「郵便局を民営化しないでほしい。民営化されれば統廃合が進み、私達の町は益々過疎化が進んでしまう。鉄道の駅も 無人化されたり廃止されたりした上に、今度は郵便局まで奪おうというのか。」という切実な陳情書が多数送られてきています。つまり郵政民営化というのは、 小泉首相を中心とするごく少数派が進めようとしている政策であり、だからこそ野党ばかりか与党自民党の理解も得られず、調整が難航しているのです。自民党 が党として郵政民営化を公約に入れたり認めたりしたことは今まで一度もありません。どう民営化するか、という方法論ではなく、郵政事業の民営化そのものに 反対している私のような議員が、党内には少なからずいます。ですから「まず民営化ありき」という政府(内閣)の論調は非常に不快です。
    この問題に関する今までの経緯については、昨年11月に日本再生会議で行った講演の記録を是非お読みください。日本再生会議(自民党有志議員による政策勉強会)では、メディアで伝えられていない内容を色々とお話しましたので、皆さんにも郵政民営化問題の真相をご理解いただければと思います。

     郵政事業の民営化に反対すると、特定郵便局長会や郵政職員の労働組合等、一部の団体の利益を守ろうとしているかのように報道されたり、公務員の給与削減 に民営化は不可欠であると大手マスコミは書き立てるのですが、間違った情報を元に国民に判断させるという世論操作が行われるのは、大変恐ろしいことです。
     実際には郵政事業に税金は投入されていませんし、税金を使わなくて済むように三事業(郵便・貯金・保険)一体で経営されているのであり、これを切り離し たら郵便事業が成り立たなくなるのは目に見えています。離島から航空機に乗せて運ばれる郵便物と東京都内で配送される郵便物にかかる経費が異なるのは常識 で考えれば当たり前であり、全国どこに住んでいても差別せず、同じ料金で均一なサービス(ユニバーサルサービス)を提供できるのは、郵便事業を国が行って いるからです。小泉首相は「官から民へ」と言いますが、郵便事業は「民」ではできないから「官」がやるのであり、全てビジネスの論理で政治を行ったらとん でもないことになってしまいます。
    ですから郵便事業自体はビジネスとして儲かるものではありませんが、貯金や保険事業と一体で経営することで赤字を補い、税金を投入しなくても健全に運営 されているのが今の郵便局です。これをそれぞれの業務に分社化し、さらに窓口ネットワーク会社などという不可解なものまで作って4分社化するという政府案 は、到底受け入れられるものではありません。窓口ネットワーク会社というのは、政府の説明によると郵便局の窓口を運営するだけの会社ですから、他の3会社 からの委託料以外にはビジネスとして全く収入源がなく、赤字が山積するのは今から目に見えています。それでも郵便局を減らさずに現状を維持しようとすれ ば、この奇妙な会社や郵便会社に政府の責任として莫大な税金が投入される日がくるかもしれません。またシステム構築にも膨大なコストがかかります。どうし てここまでして郵政事業を民営化したいのか、私には本当に理解できません。

     これは一体どういうことなのか。実は郵政民営化問題というのは、国益を賭けた戦いなのです。今郵便局に預けられている皆さんの 貯金は郵便局が国営である為、民間企業にとっては手を付けたくても手を付けられないお金です。そしてこのお金は日本国債の購入や公共事業等、第二の国家予 算(財政投融資)とも言われながら日本の国の為に使われています。このお金の使途を見直し、無駄をなくすことはもちろん必要でしょう。けれどもそこに国民 の貯金があり、そのお金が自国の為に投資されることは悪ではありません。一方この莫大な資金を民間企業、特に外資系企業が虎視眈々と狙っています。もし貯 金や保険事業が民営化された場合、一民間企業となった新会社が将来どこかの外資系企業に買収されて〇〇ジャパンというような社名になり、皆さんの貯金が海 外に流出することになるかもしれません。小泉政権は民営会社であった長銀を国有化して莫大な税金(約8兆円)を投入し、その後安値で外資系企業に売却しま した。その会社の株主であるアメリカの投資家達は、この銀行を新生銀行と名称を変えて株式市場に上場し、巨額の利益を得ています。その一方で健全に運営さ れている郵政事業を与党にも野党にも反対されながら、無理矢理民営化しようとしています。果たして小泉首相と竹中経済財政政策担当大臣は、本当に日本の国 益を考えて政治を行っているのかと疑問に思わざるを得ません。政府には郵政民営化によって具体的に国民にどのような利益があるのか、明確に説明する責任が あります。ただ「改革の本丸」と叫ぶだけでは全く説明になりません。

     私は小泉政権を批判していますが、それでも自民党員です。小泉首相が「抵抗勢力」と批判する自民党の議員には、しっかりと政策 を持ち、正論で勝負している人達が多数います。一時、「毒まんじゅう」を食べたなどとマスコミに揶揄されたのは権力に迎合する側の議員であり、「抵抗勢 力」という言葉がしばしば悪役のように使われていますが、実は抵抗すること、反対意見を述べることの方がよっぽど難しいのです。

     イラクの自衛隊派遣の問題にしても、党内に慎重論は存在しています。現在の政府と与党の対立は、反対意見に全く耳を貸さずに強引に閣議決定していく小泉 首相の政治姿勢が招いたものであり、この軋轢は郵政民営化問題をめぐって更に深刻化するでしょう。私は国民の皆さんに正確な情報を伝える為にホームページ を活用していきますので、国益を守れるよう皆様の一層のご支援をよろしくお願い申し上げます。

    何の為の改革、民営化なのか

    2004年8月13日(金)

    カテゴリー» 政治レポート

     去る7月に行われた参議院選挙後に開かれた臨時国会が8月6日に終了し、マスコミの関心は早くも9月に行われる予定の内閣改造、党役員の改選人事と小泉首相が強く執着している郵政事業の民営化の動きに移っています。
    先般の参議院選挙の結果について首相は連立与党の自民、公明両党の議席数を合わせれば安定多数を得たと述べていますが、それは3年前に獲得した非改選の 議席数と今回得た議席を合計した結果であって、今回改選議席の過半数を大きく上回る議席を両党で得たわけではありません。
    特に自民党については改選議席数51を下回ったことは歴然とした事実なのですから、敗北は敗北として謙虚に受け止め、厳しい反省の上に立って来るべき衆議院選挙に備えた党の改革と政策の再構築を進めるべきだと思います。
    選挙直前の国会における年金問題への対応やイラクにおける自衛隊の多国籍軍への参加等について国民の不信感が強く、自民党にとって逆風の選挙ではありま したが、私自身各地を回って感じたのは、最近の小泉首相の余りにも乱暴な政治手法と、重要な政策について丁寧な説明をしようとしない政治姿勢に対する強い 批判でした。
    「官から民へ」、「国から地方へ」というスローガンを掲げ、「聖域なき構造改革」を進めようとする小泉首相に国民は大きな声援を送りましたが、私は政権 発足以来、今日まで一貫して、改革はあくまで手段であって目的ではないということを言い続けてきました。国のトップリーダーは、まず最初にどのような国を つくり、どのような国民生活を実現しようとするのか、自らが目標とする国家像を国民に明示すべきです。その上でその目標を達成する為に必要な改革の具体案 を示して国民の理解を求めれば、国民も何の為の改革なのかがよくわかると思います。

    郵政事業についても、首相は「改革の本丸だ。」と繰り返して言うばかりで、「なぜ民営化が必要なのか?」ということについて一 切の説明をしようとしません。また昨年秋の自民党総裁選において郵政事業の民営化を公約に掲げて当選したのだから、党の結論は既に決まっており、後は民営 化の内容をまとめるだけだと強弁されますが、我々は郵政事業の民営化を問う為に総裁選挙を行ったわけではありませんし、この問題は多くの改革の中の一つの 課題であって、国民にとって最優先すべきことではありません。
    先般の参議院選挙においても、有権者の関心は年金問題をはじめとする社会保障政策や外交、安全保障政策、更には本格的な景気回復の為の経済、財政、金融 政策に集中しており、多くの報道機関の調査結果でも郵政事業民営化についての国民の関心度は高くありませんでした。従って小泉政権は国民の期待に応える為 にも、まずこうした数々の重要課題に取り組むべきで、郵政事業の民営化の為だけに多くのエネルギーを費やすべきではないと思います。
    自民党は昨年の衆議院選挙の公約、今年の党大会における運動方針、先般の参議院選挙の公約に一貫して同じ文章を掲げており、現在進められている郵政公社の経営改革を見守りながら国民的議論を行った上で、今年秋頃までに結論を得ることになっています。
    政務調査会に設置された「郵政事業改革に関する特命委員会」は既に20回に及ぶ勉強会を続けてきましたが、8月中に国民の意見を聞く為の公聴会を数ヶ所 行った上で、9月から議論を始めることにしています。また、政務調査会で郵政事業を担当する正式機関である総務部会も先日郵政政策小委員会を開き、昨年発 足した日本郵政公社の最初の決算について生田総裁をはじめ幹部を招いて説明を受け、意見交換を行いました。
    更に自民党の国会議員の約7割が入会している大きな議員連盟である「郵政事業懇話会」(綿貫民輔会長)も8月5日に麻生総務大臣、公社の生田総裁をはじ め、総務省と公社の幹部を招いて役員会を開き、現在公社が進めている経営改革を支持するとともに、民営化等経営形態の変更は行わず、公社のままでの更なる 改革を支援するという方針を確認しました。
    政府は経済財政諮問会議が8月6日にまとめた民営化基本方針の骨子に基づいて8月中に集中審議を行い、9月初旬に基本方針を閣議決定した上で来年の通常 国会に法案を提出する為の作業を始めようとしています。しかし閣議決定の前に自民党の了承を求められても現状では党の意見はとても集約できませんし、民営 化の為の基本方針を党が認めることはあり得ないことです。
    そうなれば政府は党の了承が得られないまま、法案化の作業を進めることになりますが、その過程で政府案の抱えている多くの矛盾点が明らかになってくると 思います。今後の動きの中で政府と党が対立する局面は避けられないと思いますが、先に私が述べたように、何の為の民営化なのか、なぜ民営化しなければなら ないのか、というこの問題の根幹について一切説明しようとしない政府に対し、現在の郵政公社の改革を支持し、国民の為の郵政事業を守ろうとしている我々の 立場は皆さんに理解していただけると確信しています。

    日本郵政公社は昨年の4月に発足してからまだ1年4ヶ月しか経っていませんが、生田総裁の強力な指導力と職員の協力のもとに4 年間の中期経営計画を立て、着実に改革を進めています。先日平成15年度の決算が公表されましたが、約5,800億円債務超過のままスタートした郵便事業 も当初の赤字見込みから263億円の黒字に転換しており、公社化の成果が徐々に表れてきております。
    もともと郵政公社は平成10年に橋本内閣のもとで成立した中央省庁等改革基本法に基づいて設立されたものですが、その法律の33条6項に公社を設立する 為に規定した様々な措置を行えば、民営化等の見直しは行わないということが明記されています。ところが小泉内閣は、この条文は公社化までのことを規定した もので、民営化等公社化後の在り方を検討することは法律上なんら問題はないとする内閣法制局の見解をもとにして民営化の動きを進めています。私はこの条文 はむしろ公社が発足した後のことを規定したものだと解釈していますが、仮に一歩譲って公社化後の在り方を検討すること自体は認めたとしても、民営化という 経営形態の重大な変更をする為の法案を国会に提出しようとするならば、その前に改革基本法からこの条項を削除する為の改正案を提出すべきであり、法治国家 である我が国の行政の責任者が法律を勝手に解釈して行政を進めることは許されることではないと思います。
    この条項を削除する法案が国会に提出されれば必然的に民営化の是非をめぐって基本的な議論が行われることになりますし、その結果民営化が国会の意思として賛同を得られれば、その上で政府は民営化法案を堂々と提出するべきだと思います。
    それは議会制民主政治の正しい手続きではないでしょうか。民営化をめぐる様々な問題については長くなりますので、また次回にしたいと思います。

    2004年4月25日(日)

    2004年4月25日(日)

    カテゴリー» その他の活動報告

     自民党の総合経済調査会長として地域再生調査会(平沼赳夫会長)、金融調査会(与謝野馨会長)、国土開発調査会(藤井孝男会長)と協力し、新しい日本型経済モデルをまとめる為の活動を始めました。その実現の為に経済活性化懇話会を発足させました。

     郵政事業懇話会(綿貫民輔会長)の役員会を開催。日本郵政公社の生田総裁から経営改革の現状、総務省から経済財政諮問会議における郵政民営化の動きに関する説明があり、それを踏まえて様々な意見交換を行いました。

     日本・トルコ友好議員連盟の会長になりました。中東の親日国であるトルコと日本が相互に協力することは、イスラム圏やアラブの国々との外交問題やわが国 の安全保障を考える上で益々重要になってきたと思います。今月はトルコのエルドアン首相が就任以来初めて来日し、小泉首相や多くの要人と会談しました。私 は友好議員連盟の会長として歓迎朝食会を催し、意見交換を行いました。

     アラブ首長国連邦の副首相兼外務大臣が多くの閣僚を伴って訪日しました。私も友好議員連盟の副会長として会談し、両国関係や中東情勢について意見交換を行いました。

     日本・スイス友好議員連盟の会長になりました。

    エルドアン首相歓迎朝食会
    エルドアン首相歓迎朝食会

    郵政民営化に反対する理由1

    2004年4月25日(日)

    カテゴリー» 政治レポート

     小泉首相にとって長年にわたる執念とも言うべき最大のテーマが郵政事業の民営化です。けれども私は郵政事業の民営化は全く必要 ないと考えています。重要なのは、郵政事業を民営化したら国民にどのような利益があるのかという「結果」ですが、この点について小泉首相は全く説明をしていません。何の為の郵政民営化か、という議論なしに改革を進めるわけにはいきません。私がなぜ郵政民営化に反対するのか、その理由を以下に述べたいと思います。
     国の事業を民営化する時、私達が議論しなければならないのは何を「官」に任せ、何を「民」に任せるべきか、という役割分担です。小泉政権は「官から民 へ」をキャッチフレーズに改革を進めようとしています。本来「民」がやるべき仕事を「官」がやっているのであれば民営化しても構いませんが、「民」がやっ ても利益は出ないけれども、国民にとって必要な仕事は「官」がやらなければなりません。したがって官と民との役割分担を明確にすることがこの議論の出発点 だと思います。
     郵政事業は郵便・貯金・保険の三事業が一体として運営されており、地方においてはなくてはならない生活インフラの一部になっています。もし民営化されれ ば、採算の合わない郵便局は統廃合されることになり、現在のような地域格差のない均一なサービスや料金は維持できなくなるでしょう。ちなみに自由競争で知 られるアメリカでさえ、郵便事業は国営で行われています。
     かつての国鉄のように莫大な赤字を抱え、国の財政支援がなければ成り立たなくなっているのなら不採算部分を切り捨てて民営化するのもわかります。けれども郵政事業は税金の投入を全く必要としない健全な経営を続けており、国鉄民営化の時とは状況が全く違うのです。
     私が一番理解できないのは、巨額の不良債権を抱えた民間の金融機関に公的資金を注入して一時国有化した上、安値で民間、しかも外資に売却しておきなが ら、なぜ国営で税金の投入なく健全に回っているものを民営化する必要があるのかということです。貯金と保険を合わせると350兆円を超える巨額の資金を運 用している郵政事業を民営化し、その資金を取り込もうとしている外資の戦略が働いているように私には思えてなりません。日本の金融をコントロールすること ができれば、金融を通じて自己資本の少ない日本の産業を支配することが可能になります。貯金や保険のお金は利用者の零細なお金の集積なのですから、外国に 流れ出すのではなく、国益の為に有効に使われるべきだと私は考えます。
     また郵貯資金は大量の国債を引き受けています。これからますます国債の発行が増えそうな時に郵政を民営化すれば国債の消化がうまくいかなくなり、国債価 格の下落、更には長期金利の上昇を引き起こし、多額の借り入れをしている企業は金利負担に耐えられなくなります。また民間の金融機関は国債を大量に保有し ていますから、国債が下落すれば第二の金融危機を招き、日本経済は大混乱に陥るでしょう。
     小泉内閣の政策とりわけ郵政民営化に反対すると、マスコミは「抵抗勢力」という言葉で安易に片付けようとしますが、私は国益と国民の生活を考えて反対しています。国民にとってあまりメリットのない政策にこれ以上エネルギーを使うのは意味がないと私は思います。

    経済・財政政策について

    2004年4月25日(日)

    カテゴリー» 政治レポート

     与党自民党に所属していると党の政策と議員個人が一体化して見えるかもしれませんが、実は党内にも様々な意見があります。私は小泉内閣の政策のいくつか には異論を唱えており、党の総務会や部会・調査会において発言を続けております。今回は経済・財政政策と郵政民営化について私の意見を述べたいと思いま す。

    経済・財政政策について

    小泉内閣は竹中平蔵氏を中心に「聖域なき構造改革」を進めていますが、私はかねてから現内閣の経済政策には異論を唱えてきました。
    竹中路線の改革というのは簡単に言えば需要政策には重きをおかず、供給サイドの改革を重視するものです。デフレ脱却の為に過剰な供給を抑えることを優先し (デフレというのは需要に対して供給過剰で連続して物価が下がることをいいます)、需要拡大の為に積極的な財政・金融政策をとらない為、必然的に緊縮財政 になります。つまり、企業は需要は増えないものと想定して経営計画を立てなければならず、需要が伸びないということは売り上げが伸びないということですか ら、それを前提に収益を伸ばすのであれば徹底したコスト削減とリストラしか生き残る方法はなくなります。その結果、中小企業や地方の零細企業はギリギリの コスト削減とリストラを迫られ、益々苦しい状況に追い込まれています。
    また竹中氏は不良債権処理を進める為に金融検査マニュアルを作成し、BIS規制(スイスのバーゼルにある国際決済銀行が出している基準)に従って金融機 関の自己資本比率を金融庁に厳しくチェックさせています。このことは金融機関の貸し渋り、貸しはがしを加速させ、中小企業を更に追い詰める原因になってい ます。
    こうした状況を放置しておくと企業の売り上げや収益は伸び悩み、結果として税収がどんどん落ち込んでしまいます。ちなみに小泉内閣発足以来、国の税収は 約9兆円減りました。つまり財政再建を目指したはずなのに、ますます国債の増発をせざるを得なくなっているのです。財政にゆとりがなくなれば新しい政策の 為の投資ができなくなるわけですから、全体の需要は減り、経済規模は縮小していきます。これではいつまで経っても日本経済の本格的な成長は期待できないで しょう。
    政府は景気が回復局面に入り、株価は上昇し、緩やかな経済成長が見込めると発表していますが、これは「改革」の成果ではなく外需によるものだと私は分析 しています。実際、ビジネスが好調なのは急成長を続ける中国や、好況を維持しているアメリカ(財政赤字と貿易赤字を抱えた見せかけの好況ですが)を相手に した輸出関連企業やIT関連企業に偏っています。外需頼みの景気回復というのは諸外国の動向や為替レートの動きに左右されるわけですから、非常に不安定で 本格的な景気回復とは言い切れません。
    本格的な景気回復を実現し経済を確実な成長路線に乗せる為には、今こそ内需拡大の為の思い切った需要政策が必要です。個人消費が活発になり、企業の設備 投資が増えれば税収も増え、財政にゆとりが出てきます。そうなって初めて財政再建が可能になるのです。小泉政権は「財政再建なくして景気回復なし」と言っ ていますが、私は「景気回復なくして財政再建なし」だと思います。ですから、私は内需拡大の為の思い切った政策転換を提言します。