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    混迷する世界情勢と日本の決断

     混迷する世界情勢の中で、日本は一体どうすればいいのか。従来の路線や考え方を大きく転換しないと、これからの時代、日本は平和な国際環境の中で国民生活を守っていくことが難しいと思う。

     例えばトランプ氏は、日米安全保障条約に基づく在日米軍の存在は日本の為にあるのだから、駐留経費を日本が100%負担するのは当然だということを言っているが、これは全くの考え違いである。日米安全保障条約はアメリカのアジア戦略に日本が協力するという合意の上につくられた条約である。アメリカの戦略が変わり、アメリカにとって必要ではないと言うのであれば、この際、日米安全保障条約を止める決断をするよいチャンスではないだろうか。しかしながら今の安倍政権の路線は、私の考えとは全く違う方向に向かおうとしている。アメリカの外交安全保障戦略を進める上でアメリカの足りないところを日本が補う為に集団的自衛権を行使できるようにし、その延長線上に憲法改正を視野に入れている。私は従来から主張しているが、日本を守っていく為には世界に敵をつくらないことが最も大事なことだと思う。防衛力を強化することは必要だが、まさに専守防衛に徹し、平和外交を進めながら日本独自の力で日本を守る。従って自衛隊の存在を憲法上明記するという憲法改正は必要だと思うが、アメリカと一体となってアメリカのアジア戦略、世界戦略を補完するようなことは敵を増やす結果になり、日本の国民を益々危険に晒すことになる。あくまでも平和憲法の根幹を変えるべきではない。

     自らの国を自らの力で守る国民の強い意識と自覚がなければ独立国家とは言えない。沖縄にこれ以上過大な負担を強いることをすべきではないし、むしろ平和憲法の理念を進めて行けばスイスのような永世中立国を目指すということも一つの重要な選択肢としてあるように思う。

     8月8日(月)に天皇陛下が生前退位のご意向を示唆されたお言葉を報道した中国のメディアの中に、天皇陛下は平和を愛する天皇だとコメントしていたのが極めて印象的だった。第二次世界大戦の戦地で亡くなった方々への慰霊のご訪問が続いている最近の天皇皇后両陛下のお姿を見ていれば、外から見ていてもそういうお気持ちは伝わっていくのだなと改めて感じた。象徴天皇のお立場として、政権に対して直接的なご発言ができないということを十分おわかりの上で、平和のメッセージを発信しておられることに深い感銘を受けている。

     今、原発の問題にしても、原子炉の廃棄物の最終処理を行う技術が完成されていないのに原発を日本に導入し、どんどん増やしてきたことは明らかにエネルギー政策の失敗だと思う。福島の原発事故の後、ドイツのメルケル首相がいち早く「脱原発」を決断したように日本もまず原発を止めるという政治決断をし、その上ですぐにとはいかないのだから、何年かかけて原発を止めていくスケジュールをつくるべきではなかろうか。またそれと同時に電力需要にきちっと応えていく為の従来の水力、火力に加えた再生可能エネルギーのシェアをどうやって高めていくかというスケジュールも明確につくって示していくべきだと思う。その為に必要な投資資金を惜しんではならない。電力会社だけに過大な負担を強いることは不可能なことであり、国の責任で財政的にもきちんと対応していくべきだと思う。

     今までの路線の延長線上を走っていくのは一番楽だろうが、それではどうにもならないところまで来ている。アベノミクスの破綻が目に見えてきているし、黒田日銀もいよいよどうにもならない状況になっているのだから、経済、財政、金融をはじめすべての面で政策の大転換、抜本的な見直しをしなくてはいけない。その為にメディアにはもっと本当のことを報道する姿勢を取り戻してほしい。政権に従い、政権を持ち上げていればそれでいいという最近の姿勢はあまりにもひど過ぎるように思う。権力の行き過ぎを国民の立場に立って批判し、是正するということと、ありのままの姿を国民に正しく伝えるというメディア本来の役割をしっかり取り戻してほしい。