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    待ったなしの野党再編成

     中央政界も夏休みに入っている状況で、皆それぞれ海外に行ったり、選挙区に戻って国政報告をしたりしているようだ。そうした中、安倍政権は益々独裁的な色彩を強めており、首相はこれでもかというぐらい海外を駆け回って積極的平和主義をアピールし、諸外国のリーダーから理解を得ているのだということを、メディアを通じて国内に宣伝し人気を高めて支持率を回復したい考えのようである。与党・自民党の中は党内批判勢力が全くなく、内閣に従っているだけという状況になっており、もっぱら9月初旬の内閣改造・党役員人事に関心が集中している。

     一方、野党の再編成が色々と言われる中で、日本維新の会が分党し、次世代の党と二つに分かれた。維新の会の橋下徹代表は結いの党の江田憲司代表と連携を深めて新しい党を作る準備を始めている。橋下氏や江田氏の話を聞いていると、自公政権に変わる政権を担える勢力を結集したいようだ。私から見ると、維新の会も結いの党も次世代の党にしてもみんなの党にしても、今の安倍政権と目指す方向が同じように見える。集団的自衛権の行使容認についても、中にはもっと強硬な考えを持っている人達もいる。まさにアメリカと一体化していこうとしている。更に野党勢力を再編成した中で、あわよくば安倍政権と連立を組もうという考えすら垣間見える。

     今の安倍政権の姿を見ていて、非常に危機感を抱き始めている国民はかなり多くなってきていると思う。そういう人達の声を代弁する政治勢力が出てこないことは極めて不幸なことである。このまま秋の臨時国会が開かれても国民の懸念に応えていける政治勢力がない中での論戦にはあまり意味がない。今の安倍政権の基本政策ではダメなのだという対立軸を早く作らないと、一方的に一つの方向に流されてしまう。日本の将来に危険な状況をもたらし、国民生活が脅かされることになりはしないかという危機感が益々強まっている。

     今、野党第一党の民主党の支持率が全く伸びない。なぜ伸びないのかと言えば当然のことだが、せっかく政権を担当する機会を与えられたのに国民の期待に応えられずに、あまりにもひどい姿を晒してしまったことと同時に、これからどういう社会や国家をつくろうとしているのかがさっぱりわからないからで、これでは何の期待感も出てこない。民主党には野党第一党として、今の安倍政権の一方的なやり方、また意図的に危ない方向に引っ張っていこうとしていることに歯止めをかける政治勢力の中心になっていく責務があると思う。ところが民主党の中に新自由主義の人達がかなりいて、自民党と連携してもいいというような人達もいる。いわゆる6人衆と言われている人達だが、その6人衆も一つにまとまっているわけではない。海江田執行部はもっとはっきりと、安倍政権の暴走にブレーキをかける役割を果たすことを前面に出し、集団的自衛権あるいは憲法第9条についての間違った認識をはっきりと正していくべきだと思う。同時に経済・財政・金融政策についても、私は以前から指摘していることだが、GDPが全然伸びていかないのは個人消費が伸びないことが最大の原因であって、安倍政権は円安になって法人税が引き下げられてくれば、さも経済がよくなるような言い方をしているが、円安になっても石油をはじめ輸入食料品等の価格が上がり、国民生活は益々苦しくなるばかりで、一部の輸出大企業が潤うだけである。それが潤ったからといって日本の国民生活に良い影響があるのかと言えば決してそうではない。製造業の輸出大企業は生産拠点をどんどん海外に移しているし、法人税の引き下げに伴う利益が従業員に還元されているわけでもない。そういう状況下で消費税を上げるのであれば、法人税を下げるのではなく、中間所得層を中心にした思い切った所得減税をやるべきだと私は言い続けてきた。多くの中間所得層の人達の可処分所得が増えなければ、国内の個人消費が伸びるはずはない。今こそかつて自民党が実現した一億総中流社会を再構築する。そこに民主党が柱を立てるべきだと思う。

     所得減税の財源はどうするのかと財務省は言うだろうが、財源は知恵を出せばいくらでも出てくる。その一つとしてこれも以前から主張していることだが、無利子非課税国債を発行する。GDPが大きくならない中で個人金融資産は増え続けており、今や1,630兆円以上になっている。そのうちの53%が現金や預金で、既に860兆円以上に上っている。そのお金を海外ではなく国内で回す知恵を出すことが大事である。特に高齢者や富裕層でたくさんの預金を持っているような人は、相続税を取られることが最も怖い。だから利子が付かないけれども相続税を免除する無利子非課税国債を発行すれば間違いなくよく売れると思うし、財務省にしても金利負担のないお金を借りることができる。財務省は一部の富裕層を優遇しているように思われるからよくないと常に言うが、富裕層の持っているお金を活用して国民生活をよくするということであって、何も富裕層を優遇しているものではない。また外為会計に大きな為替差益があるので、それを使えば簡単に思い切った所得減税はできるはずである。更に消費税率を引き上げることについて、政府、財務省はいつも社会保障充実の為だと言うが、社会保障の為に消費税が使われているのであれば、年金にしても医療・介護にしてももっと充実してきているはずなのに、依然として不安的な状況にある。消費税の税収が社会保障にきちんと使われてはいないことを裏付けている。以前指摘したことだが、消費税導入以後今日までの税収合計額と法人税を段階的に引き下げたことによる減収額がほぼ同じになっているのである。従って消費税は社会保障特別会計の特定財源として社会保障にしか使えないようにすれば国民は納得するだろう。しかし財務省はそれをやりたくないからあくまでも一般財源にしている。そういうところを厳しく指摘するべきではなかろうか。他方、大都市と地方都市の格差が拡大し、地方の過疎化・高齢化が加速し、限界集落が増え、自治体が維持できなくなってしまうということすら言われ始めている。ここでもう一度きちんと国土政策を見直してバランスのとれた国づくり、大都市に住んでいても地方に住んでいてもそれなりの豊かな生活が享受できるような環境をつくることが政治の責任である。そもそも竹中平蔵氏の考えで国土政策の中に競争原理を導入してしまったことが大都市と地方都市の格差を拡大させてしまった最大の要因である。本来国土政策は経済の論理で進めるものではなく、まさに政治の意思である。政治主導できちんとした考え方、基本的な計画を示して、政治が引っ張っていかなければ均衡ある国づくりはできるはずがない。もともと日本は自然とも調和し、全国それぞれの地域で個性的な文化を作り上げてきたバランスとの取れた国だった。だからこそ美しい日本といわれてきたのである。国土がどんどん崩壊し始め、地方に人が住まなくなってくるという状況を放っておいて美しい国になるはずはない。均衡ある国づくりはまさに政治の責任であり、民主党はそのことをはっきりと打ち出していくべきだと思う。

     外交・安全保障、経済・財政・金融の基本政策をもう一度党内できちんと議論して、それでも相容れない人達がいて、党内がまとまらないということになれば、維新の会が次世代の党と分党したように分党すればよいと思う。安倍政権と同じ方向を目指すような人達はそちらに行けばいい。そうではないという人達が大きな柱を立て、理念、政策をきちんと打ち出して結集していくことが何よりも急がれる。民主党が一時的に割れれば当然人数は減るが、それを怖がらずに勇気をもって堂々と行動すれば、心ある国民は支持すると思う。
    政治は何の為にあるのか、政党は何の為にあるのか、国会議員は原点に返ってよく考えるべきだと思う。特に今、力を失っている野党の人達にもう一度そのことをよく考えてもらって再スタートを切ってほしいと思う。