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    2006年10月26日(木)総務委員会質問議事録

    2006年10月26日(木)

    佐藤勉委員長
    次に、亀井久興君。

    亀井久興委員
    国民新党の亀井久興でございます。
    限られた時間でございますけれども、大臣の先般の所信に関連して、若干の質問をしたいと思います。
    まず、安倍総理が先般の所信表明演説の中でも言っておられましたけれども、地方の活力なくして国の活力はないんだということであります。そのことから致 しましても、地方振興の為に責任を持っておられます総務省並びに総務大臣の役割は極めて大きいというように思っております。
    大臣所信の中で、「美しい国、日本」を実現する為に各般の施策の推進をする、そうしたことを述べておられますけれども、大臣にとって「美しい国、日本」というのはどういうイメージですか。まずそのことを伺いたいと思います。

    菅義偉総務大臣
    日本の歴史や伝統や文化を大事にし、そして自分の故郷、こうした基に誇りを持って、それぞれの地域の人が生きがいを持って、また規律を持って生活する、そうした国かなというふうに思います。

    亀井久興委員
    先般、予算委員会の時に総理にも申し上げたんですが、私はちょうど今から8年前になりますけれども、橋本内閣当時に担当大臣として、「21世紀の国土の グランドデザイン」という国土計画をまとめました。その時に、ずいぶん多くの方々のご意見を頂戴致しました。もちろん各中央省庁の人達、そしてまた経済 界、あるいはまた地方の首長さん、学識経験者、色々な方々のご意見を伺いながらまとめたわけでございます。
    その「21世紀の国土のグランドデザイン」、その中に私自身の非常な思い入れもございましたので、あえてサブタイトルを付けまして、そのサブタイトルは 「地域の自立の促進と美しい国土の創造」、そういう副題を付けたわけでございます。私はまさに「美しい国、日本」を作りたい、そういう思いがあったわけで すが、今、大臣のイメージというものを承って、そう違わないのかなというようには思います。
    ちょうど幕末維新の頃に、ずいぶん外国からも色々な人がやってきて、日本の中を見て回った。そういう人達の書いた著書等もあの当時ずいぶん読みましたけ れども、東京のような大都市を見て、そういう人達が美しいと思っていたわけではないんですね。やはり地方のありようというものを見て、美しいと言ってい る。その美しさというのは、自然環境の美しさだけを言っているのではないので、美しい自然と、そこと調和をして非常に生き生きとした豊かな生活を享受して いる、その生活様式、そこのいわば文化、そういうものを美しいとあの人達は思ったわけですね。
    ですから、やはりただ単に自然環境を守ればいいということではなくて、そこに個性的な生活様式というものが自ずから根付いて、個性的な伝統文化というものがそこに根付いている、それが美しいんだということだと思います。
    ですから美しい日本を作るということの為には、私はやはり一つのビジョンが必要だ、ハッキリとした目指すべき国の形というもの、姿というものがあって、 そしてそれをどう実現していくかという計画がなくてはいけないというように思います。その中で、地方自治がどうあるべきなのかということだろうと思うんです。
    今、国土計画というのが、どうも小泉政治の間不在になってしまいまして、私は聖域なき構造改革と言われるんだから、国土構造をどう変えるかということは 大変な構造改革じゃないですかということを言い続けたんですけれども、竹中大臣と私はもう天敵みたいな関係で、絶えず色々な政策でぶつかっておりましたけ れども、あの方は国土政策の中に競争原理を入れようとした、それは私は完全な間違いだと思います。やはり国土計画というものは、国土政策というのは、経済 合理性というものを乗り越えて、政治の意思として私はやっていくべきものだと思っていますので、そこが違う。
    しかも、もう一つ非常に違うのは、均衡ある国づくりというのを竹中さんは否定されるわけですよ。均衡ある国づくりを国土政策の理念にしちゃったから、全 国どこに行っても同じところばかりになっちゃった、こういうことを言われる。ところが私どもが言っている均衡ある国づくりというのは、そういう意味で言っ ているんじゃないんですよね。竹中さんが言われるのは、手段の話で言われている。なんか手段が目的みたいになってしまうことがあの方は多いんですけれど も。とにかくあの均衡ある国づくりというのは、せっかく広い国土があるんだから、もっとバランスよくうまく使いましょうということを私どもは言っているわ けです。
    大臣は横浜という大都市のご出身でございますけれども、今、首都圏、東京、千葉、埼玉、神奈川、一都三県を首都圏といいますけれども、そこの占める面積 というものがどのくらいか。もう答弁を求めないで私が言いますけれども、全国土面積37万平方キロの中のわずか3.6%ですよね。3.6%のところに 26%強の人が集まり、物が集まり、情報が集まり、お金が集まっている。そして、過疎地域自立促進法、あの法律の指定を受けている市町村の面積を集める と、国土の約半分ですよ。国土の半分のところに10%もいないんですよ。正確に言うと、6.3%しか人はいない。そういう歪んだ国土の使い方をやっていっ て、美しい国なんかできますか。
    ですから私は、バランスの取れた国土の使い方をもっとやっていくべきじゃないだろうか、それには経済合理性も乗り越えた一つの意思というものが政治から示されるべきだということをずっと力説してきたわけです。
    ですから今大臣が、地方の財政運営をやっていく為に交付税や地方税の総額を確保したい、その思いはわかりますけれども、そのことだけで本当に美しい日本ができるとは私は思わないわけでございます。
    今、あの21世紀のグランドデザインというのは、どこかお蔵に入って鍵を閉められちゃったみたいなんですけれども、それにかわって国土形成計画法という ものがあるということのようですが、その辺、国土交通省と総務省とが、同じ政府ですから、きちっとやはり調整をもっととっていただいて、連携を強めていた だいて、こういう国を作るんだという一つのハッキリとしたビジョンの中で地方行政もやっていただきたい、そのことを特にお願いをしたいと思います。
    国交省、来ていると思いますが、今の形成計画法がどうなっているか、ちょっと教えてください。

    渡邊東政府参考人
    委員ご質問の国土形成計画でございますが、人口減少、東アジアの成長等、経済社会情勢が大きく転換する中で、地域の自立に向けた国土全体の枠組みを示す 新たな国土計画の策定が求められているというように認識しております。この為、現在国土交通省では、全国総合開発計画にかわる新しい国土計画であります国 土形成計画の策定に取り組んでいるところでございます。
    このうち全国計画につきましては、国土審議会に計画部会を設置し検討を行っているところであり、平成19年中頃を目途に計画を策定することを予定してお ります。策定中の計画では、広域ブロックを単位とする地方が、その有する資源を最大限に生かして地域戦略を描き、特色ある独自の発展を目指すこととしてお ります。
    また、全国計画の策定に続きまして広域地方計画を策定し、圏域整備を実施していく上で必要な具体的な施策、事業等を示していくこととしております。広域 地方計画につきましては、国の関係行政機関、地方公共団体、地方経済界等からなる広域地方計画協議会が、計画及びその実施についての協議を行うということ になっておりまして、関係省庁をはじめとして、関係自治体間の緊密な連携がこれまで以上に図られるものと考えております。
    これらを通じまして、官民の連携による地域支援の再生や、地域雇用の創出などの取り組みの促進に向けた環境整備を行い、地域の活性化を支援してまいりたいというふうに考えております。

    亀井久興委員
    さっき大臣が地域の自立性ということを言われたわけで、もちろん地方の人達が自分の頭で考えて自分の足で立つという、その意欲を忘れてしまったら成り立 たないから、それが一番大事なことだと思うんですけれども、「頑張る地方応援プログラム」なんていう、まだ中身がよく見えていませんけれども、例えば外国 企業の誘致なんていうことをその一つの例示として出されているけれども、外国企業の誘致を今やれるような地方が一体どこにあるんですかということを私は言 いたいですね。
    もちろん地域間競争を激しくやって、そのことによって活力ある国土を作るというのも一つの手法としてわからないことはないけれども、その為には、やはり 競争条件というものを同じにしなければ公正な競争というのはできませんよね。東京のような社会資本が十分に充実をしているところと地方と同じスタート台に 立たせて、さあ自分の頭で考えて自分の足で立て、走れといったって、それは益々差がついてしまうのは当たり前のことですよね。だから今の格差が中央と地方 と拡大しているということにも、ただ競争さえすればそれで地方がよくなるんだ、そういうことでは割り切れないのが私は地方の実態だと思います。
    ですから、競争条件を同じようにするということは、当然社会資本整備というものもそれに伴ってくるわけで、必要な社会資本整備というものは大胆に、これ は経済原理とかそういうことを超越して戦略的に私はやっていくべきものだと思います。その点のお考えをちょっと伺いたい。

    菅義偉総務大臣
    やはり、基本的には地方にまず安心感を与える、それと地方にも頑張る何か仕掛けというのが私は必要だというふうに 思っています。財政力指数が低くても、そこの地域の魅力を生かす何かできることは私は必ずあると思っていますから、そうしたものを引き出せる、こういうこ とも是非考えた中で、「頑張る地方応援プログラム」というのを、今それをこれから、地方の市町村長さんからも意見を聞きながら、年内かけて作り上げていき たいというふうに思います。
    ただ、今地方分権一括法、今回の国会でその理念とかいうものを実は出させていただいています。こうしたもので、地方が自由に自分で物事を考えて、責任を 持って、また自立できる、そんな仕組みは是非必要だというふうに思いますし、道州制というのも、やはり私は、将来的にそういうグランドデザインの中でこの 国というのがあるべき、そう思います。

    亀井久興委員
    大臣の言われることもわからぬことはないんですけれども、とにかく地方が本当に頑張れるその環境作りをするのがやは り政治の大きな責任だと思いますから、そこはまたハッキリとした計画、目標というものを示すという、そのことも関連しまして、よく政府の中でしっかり調整 してやっていただきたいというように思います。
    郵政の民営化担当大臣でもありますので、郵政の民営化についても質問したいと思ったんですが、もう時間がなくなってきました。
    この間の予算委員会の時にちょっとお話ししましたが、やはり経営形態を含めてこれはもう一度見直さないと、今の状況では色々な矛盾がどんどんどんどん出 てくる。今まだ公社の段階でございますけれども、もう既にサービス低下というように多くの地方の人達が受け止めている実態があるわけですから、そういう中 で、三事業の一体性というものをもう一度しっかりと担保していくなんらかの措置がなければ、私は地方の郵便局は持たないだろうというように思っていますので、そのことについてはまた改めてご議論したいと思います。
    それからNHKに関連してちょっと伺います。
    私、今年の3月のNHK予算の時に、竹中大臣に相当厳しいことを申し上げましたけれども、イギリスのBBCとNHKとよく比較されるので、私もその比較をしながら質問したんです。
    BBCというのは、イギリスの国民は非常に信頼をしております。その信頼の基はどういうところにあるかというと、政治権力といつも一定の距離を置いてい るという、そこに国民の信頼の基があると私は思っています。これは、あれが保守党政権だろうがあるいは労働党政権だろうが同じであって、サッチャー政権の 時も厳しくBBCはぶつかったし、ブレア政権の時も厳しくぶつかった。やはりそこに、政治権力と一定の距離を置いているという、そこにBBCの信頼性とい うものはあると思う。
    NHKも、もともとは民間法人として出発をしたわけですけれども、戦前、戦中のいろいろな反省があって、新しい放送法のもとで公共放送としての新たなス タートを切っておるわけでございます。その公共放送としての今の役割というもの、これを国民はそれなりに評価しているだろう、支持しているというように私 は思います。受信料の不払い等、不祥事が原因になってそういうことがある、それは厳しくNHKの内部で自律してもらわなくちゃいけませんけれども、やはり 公共放送としてのNHKの役割というものは非常に大きいということは、私はみんな思っていることだろうと思います。
    そういう中で、NHKは特殊法人ではあるんですけれども、国の役割をかわってやってもらっているという、そういう特殊法人とは基本的に性格が違うわけで すね。やはりNHKの独立性というもの、政治権力と一定の距離を置いて独立してやっていく、そういうことがNHKのNHKたるよさだろうというように私は 思っております。
    竹中前大臣にこの点を確認致しましたら、竹中大臣も私の考え方に賛成されて、NHKの公共性に関連して国の使命という言葉を使われたから、国の使命とい うのはまさか国の権力を肩代わりしてやってもらうという意味での使命じゃないですねということを言ったら、そうじゃありません、とにかく中身についてあれ これ言うようなことじゃなくて、独立した一つの経営形態というものを維持しながら、その中で自主的にやってもらえる大きな枠組みをきちっと守っていくこと が国の役割だ、そういう答弁をされたわけです。その竹中前大臣の考え方と菅大臣はまさか違うとは思いませんけれども、それを確認したいと思います。

    菅義偉総務大臣
    今委員のご意見にありましたように、我が国は広告収入の民放と受信料のNHK、二元の中でお互いに切磋琢磨して今 日まで来ているわけですけれども、特にNHKについては、受信料を元にする特殊法人であって、その放送については、第七条に基づき、あまねく全国における 放送から国際放送の実施まで、民放とは異なる社会的使命を担っておるわけでありまして、今後ともそうした使命を引き続き担っていくこと、このことがやはり 重要なことであるというふうに思います。
    総務省としては、NHKが放送法及び番組基準に従い、視聴者の意向に不断に耳を傾けて、公共放送としての特徴というものを十分に生かして、これから国民の皆さんに親しまれる放送として発展することを望んでいるところであります。

    亀井久興委員
    先程来、各委員が命令放送のことについて指摘をしておられましたけれども、法律上問題がないからやるんだということによって、結果的に政治権力が公共放 送たるNHKに関与している、あるいは命令をしている、そういう印象を与えてしまうということはNHKのこれからの為にも決していいことではないというよ うに私は思いますので、その点はNHKの公共性を守る、その観点で総務大臣にしっかり対応していただきたいということを申し上げたいと思います。
    終わりにNHKからも一言、今の問題に関連して何かコメントがあったらお願いします。

    中川潤一参考人
    申し上げます。
    NHKとしましても、公共の財産でございます電波をお預かりしまして、しかも受信料ということをいただきまして運営しております公共放送でございますので、その使命は非常に重いということを考えております。
    特にその使命の中で、民主主義の健全な発展に資するということを放送を通じてやらせていただいているということで、的確な情報、正しい情報、あるいはま た日本のすぐれた文化財産、こういったものを放送を通じてご紹介する、その為に、何よりもどんな圧力からも自由である編集権の自主自律というものが最も根 本的なところである、これは公共放送としての極めて重要なことであるというふうな認識のもとで、日々運営をさせていただいているところでございます。

    亀井久興委員
    終わります。

    2006年10月6日(金)予算委員会質問議事録

    2006年10月6日(金)

    金子一義委員長
    これにて阿部君の質疑は終了致しました。
    次に、亀井久興君。

    亀井久興委員
    国民新党の亀井久興でございます。
    最後の質問でございます。皆さんお疲れと思いますが、もうしばらくご辛抱いただきたいと思います。
    まず安倍総理、ご就任おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
    安倍総理は山口県でございますが、私の故郷は山口県との県境の津和野という小さな町で、県境を越えればすぐ山口県でございますから、私個人的には安倍総 理に長い間大変親しみを感じてまいりました。また私の故郷でも、山口からまた総理が誕生したということを喜んでいる人達もたくさんいるわけでございます。
    それはそれとして個人的な気持ちでございますけれども、今私は野党の立場でございますから、総理に対しても、また閣僚の皆様方に対しても、相当厳しいこと、あるいはまた失礼なことも申し上げるかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。
    まず、総理の政治姿勢に関連して最初に伺いたいと思うんです。
    長い休会を経て今国会は始まりましたが、あの通常国会の終わり頃を思い出していただきたいと思います。昨年の選挙の時に色々なことがあって、いわゆる勝 ち組の代表選手だった堀江さん、そして村上さん、そういう方々が相次いで逮捕される、そういう事態が起こったわけでございますが、その村上ファンドに関連 して、日銀の福井総裁の問題が大きくなりました。国民の皆様方も大変このことに対しては憤っておられたわけでございます。
    バブル経済が崩壊して以降長い間、低金利政策が続いてまいりました。ようやく日銀の量的緩和が終わったといいながら、依然として低金利は続いております。年金生活を続けておられるような方々が金融機関にお金を預けても、利子はさっぱりつかない。諸々の手数料がどんどん増えてまいりまして、預けておいて も何の意味もない。そして貯金がゼロという世帯がどんどん増えている。それが今日の姿でございます。
    そうした中で、いかに日銀総裁に就任前のこととはいいながら、その契約を引き続き総裁になってからも続けておられた。そして、一般の国民の感情からはと ても許しがたいようなそのリターンを受けておられた。そういうことに対して、あの当時の報道機関等の調査でも、7割の人達は日銀の総裁は責任を取って辞め るべきだ、そういう判断をしておられたわけでございます。
    3ヶ月も経ちますと、もうみんな過去のことみたいになって、マスメディアもあまり報道しないということかもしれません。しかし福井日銀総裁が、まさに金 融政策の中心にあってそうしたことをされ、日銀の信頼を失わせるようなことをされたということに対して、私はやはり大きな責任はあると思っております。い ずれまた、村上さんの裁判が進んでいく中でこうしたことも追及をしていかなくてはいけないと思っております。
    総理は日銀の総裁の任命権は持っておられますけれども、罷免権は持っておられない。従って辞めろと言うことはできないわけでございますが、この村上ファンド並びに福井日銀総裁との関連についてどのようにお考えになっておられるか、承りたいと思います。

    安倍晋三内閣総理大臣
    福井日銀総裁に関して、今議員がご指摘になられたような、そういう日銀の総裁という立場は、国民から本当に信頼をされながらいわば金融政策を担っていく 立場にあるわけでございまして、そういう意味におきましては、そういう指摘がなされることは大変残念だ、このように私は思っております。その中において、 福井総裁をはじめ、日銀として厳しい内規を定め、こうした指摘を受けることのないようなそういう体制を整えたことはよかった。このように私は思っております。
    今後しっかりと職責を全うしていただきたい、このように思っております。

    亀井久興委員
    安倍総理は小泉内閣5年半の間、一貫してその政権の中枢におられ、あるいは党の中心におられたわけでございますから、小泉政治を大きく転換するというこ とにはなかなか勇気もいることだと思います。その小泉政治がすべて間違いとは私申しませんけれども、小泉政治のいわゆる負の部分というものは率直に反省を していただいて、こういう点はやり直すんだということを、やはり正直に言っていただくのが安倍総理の一つの政治姿勢として大切ではないか。今のこともそう したことから申し上げたことでございますので、よく受け止めていただきたいと思います。
    次に、教育基本法のことについてご質問を致します。
    前国会で、終了間際に教育基本法が政府からバタバタと提出をされた。私ども、教育基本法というのはまさに長年の間、与党においても野党においても議論を されてきたことでございますし、国民の皆様方にとっても一番関心の深い事項の一つでございますから、各層各界の意見を十分に聞いて、しっかりコンセンサス を作っていくべきだと思っておりまして、拙速は避けるべきだ、そういう考え方をとっておりますので、今国会においても教育国会というようなことを言われて おりますが、私は今臨時国会で拙速に法案の成立を図るということは反対を致しております。
    その教育基本法、政権政党であります自由民主党の中で、長年にわたって教育の目標の中の一つに、国を愛する心、愛国心を養うということを教育の目標の一 つにしっかりと位置付けるべきだ、これは自由民主党の長年の課題だったと私は思います。私は愛国心というのが、なんか国民がここにいて、国がこっちにあっ て、これは愛するに足る国だから愛しましょうとか、愛するに足らない国だから愛するのはやめましょうとか、そういう話ではないと思うんですね。それこそ親 子や兄弟の絆を大切にして、家族を愛し家庭を愛するという、その自然な広がりの中で隣近所の人達に対する愛情を持つ、更には地域社会、そして故郷に対する 愛情、それのまた自然な広がりの中で国に対する愛情というものはあるんだろうというように思います。
    ところが、どうもその愛国心ということに対して非常なこだわりが与党の間であったようでございまして、例えばサッカーのワールドカップとか国際試合にお いて、サポーター、応援する人達が、誰も別に強制されたわけではないけれども、ニッポン、ニッポンと言って合唱を致します。あれはまさに日本という国の、 自分の国の選手が一生懸命頑張って、そして堂々と戦って勝ってほしい、そういう自然な心の表れがああいう態度に出てきたんだというように私は思います。
    ですから、どうも政府の今度の案では、国を愛する心ではなくて態度だというふうに変わっているわけですが、態度というのは私にはどうもよくわからないで すね。心の表れが態度なんじゃないか、だから心を養わなければ態度も私は出てこないんじゃないかというようにごく素朴に思います。それがいつの間にやらそ の文言が消えて、国を愛する態度というように変わってしまった。
    最近、親が子を殺したり、子が親を殺したりというのが当たり前のようになってまいりましたけれども、親に対して憎しみを持っていたりバカにしたりしてい るそういう子供が、心ではそういうものを持っていても、親が恐いから態度では従っているようなふりをしている、そんなことではいい家庭というのは私は作ら れないんだと思います。ですから、やはり基は心だというように思います。
    それが政権政党の中で連立を組んでおられる公明党さんとの間で非常に難しい調整をされたというように、マスコミ等でも報道されておりますけれども、そこ で公明党さんの意見を聞かれてそういうことになったというように言われておりますけれども、私、今日その担当ではございませんけれども、冬柴国土交通大 臣、長い間公明党の幹事長という要の立場におられまして、その推移もよくご承知のはずでございます。
    私、そこまで言うと言い過ぎになるかもしれませんけれども、公明党さんはいいんですけれども、公明党さんの支持母体であります創価学会、創価学会は申し上げるまでもなく日本で一番大きな宗教教団でございます。その宗教教団の考え方というものが公明党さんを通じて与党の政策に反映をされてくる、そしてまた 教育基本法という大変重い法律を作る、そのことになんかその宗教団体の意見が反映されて中が変えられてしまうということは、これは私、別に公明党さんや創価学会になんら他意はございませんけれども、やはり今の憲法の基本的な考え方からいって、私はそのことを黙って見過ごすということはいかがなものかな、そういうように思いますので、そのことについて冬柴国土交通大臣のご見解を承りたいと思います。

    冬柴鐵三国土交通大臣
    通告も何もありませんでしたけれども、私は愛国心において人に劣るとは一つも思っておりません。私も今挙げられたように、サッカーだけではなしに、オリンピックの時も、あるいは野球も、本当に自然な心で日本頑張れと応援します。全然知らない、会ったこともない スケーターも、あのイナバウアーをやってくれたら本当に嬉しかった。そういう気持ち、これは自然なものです。
    しかし、教育の場で愛国心というものを教える基本に入れていいかどうか、そういうふうになりますと、私には異論があります。遠くない過去において、愛国心で鼓舞されて国論を統一されたことはみんなが知っていることであります。それに従わない人は非国民でありました。
    もう一つ、国というのは三要件あります。一つは国土であります。一つは国民であります。もう一つ最後が統治機構なんです。その三つがそろって国家が成り 立っているわけであります。国土を愛することは郷土愛の延長で、自然な気持ちです。また人を、国民を愛することも、本当に同胞愛としての自然の気持ちで す。
    しかし、時の政府に迎合しなければならないような、時の政府の政策を支持しなければならないような、そういういわゆる権力に迎合するような教育がなされ るとするならば、私は体を張ってでもそれを阻止しなければならない、こう思いますよ。近い国にあるじゃないですか。金正日さん、この人の考え方、この人の 立てた国家観というものに従えない人は、脱北しなければ生きていけないじゃないですか、そうでしょう。またサダム・フセインの統治下でもそのようなことが 言われました。戦前の日本も非国民と言われたじゃないですか。
    私は教育の場で統治機構まで愛するようなものはやめてほしい、その部分がハッキリするならば私どもは賛成したい。もう制定後六十何年もたっていろいろなことも変わった、新しい概念も出てきた、だから変えてくれと言ったんです。
    そこで70回やったんですよ、70回。そしてその結果出てきたのが、歴史や文化を尊重し、それらを育んできた国と郷土を愛しと書いてありますよ。そして 愛しつつ、他国を尊重し、国際社会の平和に寄与する態度を養う、そういうことですよ。その中には、私が今言ってきたものが、概念が排除された、非常に苦労 した結果いいものができた。私はこの国会で是非成立させていただきたいと思っています。

    亀井久興委員
    この話はまた別の場でじっくりとさせていただきたいと思います。
    最後に安倍総理、このことについて、心と態度というものをどう受け止められるのか、なぜ心はいけなくて態度ならいいのか、そのことについて総理のご見解を承りたいと思います。

    安倍晋三内閣総理大臣
    この教育基本法の問題につきましては、只今冬柴大臣がお答えになったように、本当に与党内において真摯な議 論が行われたわけであります。我が党は、当時は保利耕輔先生が本当に深い深い哲学の中から何回も交渉を重ねられたわけであります。私も幹事長として、当時 冬柴幹事長とご議論をしたことがあるわけでありまして、統治機構ということは考えられませんよ、我が党としても、小泉内閣のこの権力を愛すとは誰も考えて おりませんということを申し上げたことを思い出すわけでありまして、そのことは当然でありますということを申し上げました。
    そういう中で、お互いに意見を表明し合いながら、誤解は解消しながら、懸念点は払拭しながらまとまったのがこの案でございまして、私は先生の言われる通 り、態度というのは心があって態度があるというのは当然のことであろう、心がないのに態度を示せというのは、まさにこれは欺瞞であるのではないか、このよ うに思うわけであります。
    私も先生と同じ山陰の出身でございます。山陰というのは、やはり古来から共生を大切にする地域であります。小泉総理はいわば太平洋側のご出身でございま して、日が当たっているという感じがするわけでありますが、山陰は光の影というこの中で、コツコツとお互いに共生の中で生きてきた。こういう思いの中で、 私もこの教育基本法というのは、私どもが出している教育基本法については大変自信を持って、是非ともこの国会で成立を果たしたい、そして理念法として新し い改革に一歩前進をしていきたい、このように思っております。

    金子一義委員長
    冬柴国土交通大臣がちょっと一言あるようなので。簡明にお願いします。

    冬柴鐵三国土交通大臣
    私どもの支援団体である創価学会の影響で、私どもがそういうことを牢固に主張したようなことを言われましたけれども、全くもってそういうことはありません。それはもう侮辱です。撤回してください。お願い致します。

    亀井久興委員
    今の点について、もし事実と異なるということであれば撤回を致します。
    ただ私は、私がそう言っているということではなくて、報道機関等でもってそういうことが言われておりますという意味で言ったことでございます。
    伊吹大臣のご見解も聞きたいんですが、時間がありませんので、また改めて致します。
    それでは、郵政の民営化のことについてご質問します。
    郵政の民営化というのは、昨年、選挙後に法律が成立をしたのでもう終わったかのようなことを一部では言われますけれども、来年の10月に民営化がスタート ということでございますし、完全民営化ということになりますとそれから10年後ということでございますので、私は郵政民営化はまだ決して終わってはいな い、そういうように受け止めております。私は郵政民営化絶対反対ということで行動致しましたけれども、やはり今に至っても、なんで民営化しなくちゃいけな いのかというその疑問は解けないわけでございます。
    今、持ち株会社、日本郵政株式会社はもう既に発足をしておりますが、その下にいわゆる窓口会社、郵便局会社、それに郵便事業会社、さらに金融機関として の郵便貯金銀行、保険会社、そうしたものがスタートするということでございます。郵便事業会社とそれから郵便局会社は、株式は持ち株である日本郵政株式会 社が全株保有するということですから、本当の意味での民営会社ではないですね。これは言ってみれば特殊会社と言ってもいい、そういう経営形態だと思いま す。ところが貯金銀行と保険会社の方は、これは市場で全株売却をするんだ、そういうことになっております。ですから私に言わせれば、郵政民営化法ではなく て、貯金・保険分離民営化法ということだというように受け止めざるを得ない。
    もともと、三事業一体でうまく回っていて黒字経営をしていた。国民の側からも、そんなに郵便局けしからぬというようなそういう声があったとは思えない。 うまく成り立っていて、財政資金を全く投入しないでもうまく回っていたものをバラバラにして、わけのわからないような姿が今出てきている。
    まだ民営化がスタートをしていないのに、もう既に今の公社の手によって郵便局改革のマスタープランというのが進められて、そして、地域で従来は郵便の集配業務をやっていたところが集約されてよそに移ってしまう。明らかに地域の人達にとってはサービス低下でございます。
    あの当時の担当大臣、竹中さんとずいぶん議論を致しましたけれども、竹中さんは郵便局の数は減らしませんよ、ネットワークは守りますよ、そして特に過疎 地の郵便局はしっかり守ります、更にサービスは今のサービスを維持しますよ、それ以上に新しい多種多様なサービスがそこでできるようになるんですというこ とを言われた。多くの国民は、その竹中さんの言われたことを信じておられたんだと私は思います。ところが実際には、まだ民営化も始まっていないのにそうい う現象が生じております。これは一体どういうことなんだと郵便局の局長さんに聞いても、自分達にもわかりませんということでございますから、今、地域社会 は非常に困惑をしているというのが現状だろうと思います。
    ですからこういう中で、やはり三事業一体でうまく回っていたものを切り離しますから、どう考えてみても、うまく郵便事業や郵便局会社が回るはずはない。 そうすると、最終的に財政資金で応援しないと国民への約束を果たすことができなくなるなんていうことになったら、何の為の民営化だったんだということにな るわけでございます。
    ですから私は、今、持ち株会社、日本郵政株式会社のコントロールがきいている間は、これは例えば貯金銀行にしても保険会社にしても、その業務を窓口に対 して一括委託契約をするということであれば、すべての郵便局で同じように貯金や保険も取り扱われることになると思いますけれども、しかし、その株式がどん どん売却されていって完全な民間会社になったとしたならば、損をするようなことは、あなたの会社はこれをやりなさいなんていうことは、これは国が言えるこ とではないわけでございますから、やはり、その三事業の一体性というものを担保しておかないと、私はこの郵政事業というのが成り立たないというように思い ますので、郵便貯金銀行や保険会社の株式売却について、持ち株会社のコントロールが常にきくような一定の範囲にとどめておくというような、そういう思い 切った修正をやらない限り、私はこの郵便事業はうまくいかないだろうというように思います。
    担当大臣の菅大臣、就任されたばかりですけれども、副大臣もやっておられたので経緯はよくご承知だと思いますが、このことについてどうお考えですか。

    菅義偉総務大臣
    お答えを致します。
    全国に張り巡らされています郵便局のネットワークというのは私は国民の重要な資産であると思っていますから、この資産を十分に活用し、国民の皆さんのご期待に応えられるように是非やっていきたい、こう思っています。
    今、委員から問い合わせがありました三事業一体の問題であります。
    おっしゃる通り、効率的な経営を行う為には、現在の持ち株会社、それと四子会社が統合的に、戦略的に行っていかなきゃならない、こう思っております。
    先生がご懸念をされておられました点でありますけれども、そういう中で、安定的な代理店契約というものを義務付ける、あるいは基金の設置、株式持ち合い による一体的経営が可能となる等、民営化後も郵便局において貯金、保険のサービスが続くよう実効性のある仕組みを作ってまいりたい、こういうふうに思って おります。
    先程、集配局の再編のお話もございました。これにつきましても、集配はなくなりますけれども、郵便局はそのまま残します。これは、国会の審議の中でも答 弁もされていますし、あるいは附帯決議があります。過疎地の郵便局は全部残して、地域の皆さんには心配のないような形にしたいと思います。
    それで、無集配になっても、集配局と同じようなサービスはこれは電話等でやるということも明言しておりますので、10月1日の民営化に向けて全力で頑張りたいと思いますので、是非ともご理解をいただきたいと思います。

    亀井久興委員
    もう時間がありませんので、その郵政の問題はまた改めてやりたいと思います。
    最後に「美しい国、日本」を作る、そういう総理の思いは私もよくわかります。ただ私は、小泉政治の最大の弱点といいますか欠点といいますか、目指すべき 社会がどういう姿なのか、作ろうとする国がどういう国なのか、そのことをトップリーダーとしてまず示して、その為に諸々の改革が必要だから理解をして協力 をしてくれというのが物事の筋だと思うんです。私はずっと言い続けてまいりましたけれども、小泉前総理は最後までどういう国を作りたいということを言われ なかった。安倍総理は、ですから「美しい国、日本」を作るんだということを言われたのは大変結構だと思いますが、ただそれを実現する為の手立てがいるわけ で、当然その国土計画、国作りの為の計画というものがなくてはいけないというように思います。
    たまたま私、橋本内閣当時に「21世紀の国土のグランドデザイン」という国土計画を作った責任者でございますけれども、ずいぶん色々な議論を致しまし た。そういう中で私自身が、まさに総理と同じことですけれども、「地域の自立の促進と美しい国土の創造」というサブタイトルを付けた、これは8年前のこと でございます。そういう中で、やはり競争原理、経済合理性というもので国土政策を割り切るということは私はできないと思うんですね。
    ところが竹中前担当大臣とお話を致しますと、常に競争というものを地方自治とか地方行政とかそういう中にも持ち込んでいこうとされる。それで国土政策に も地域間競争を激しくさせろなんていうことを言われました。しかし公平な競争条件、同じような競争条件のないところをただ同じスタート台に立たせて走れと 言ったら、格差はますます広がっちゃうわけですから、やはりその競争条件というものは、全国土バランスよくきちっと整備をしていくというその計画が必要だ と思っております。
    もう時間がありませんから、その各論についてはまた改めてさせていただきたいと思いますけれども、国土交通大臣もこのご担当だと思いますので、しっかり とした国土形成計画がございますが、それを具体的にどうその財政的な裏付けをしながら進めていくのかということについても、しっかりとお考えいただきたい と思います。
    最後に総理に。

    安倍晋三内閣総理大臣
    私も、地方の活力なくして国の活力はないと思っています。バランスよく日本全体が発展をしていくことが美しい日本の姿になっていく、その為に今委員がご指摘になったように、国土形成計画の中で具体的な施策を取りまとめてまいりたいと思っております。

    亀井久興委員
    終わります。

    金子一義委員長
    これにて亀井君の質疑は終了致しました。
    次回は来る10日午後1時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会致します。

    地域を離れ特定局あり得ず

    2006年5月21日(日)

     政治は嘘をついてはいけない。正しいことを正しい、間違っていることは間違いだと常に指摘をして、たとえそれが少数であっても堂々と主張していく、そこ に国民の信頼は生まれてくると信じている。過ちを改むるにはばかることなかれ。間違った判断を政治がした以上、その答えも政治が出さなくてはいけない。皆 様が再びあのような熱気、エネルギーを取り戻して、郵政事業に邁進していただけるような環境を作る為に、更に全力を尽くして闘って参りたい。

    高橋会長の挨拶を聞いていて、「大変苦しいな」、「立場は大変だな」と思った。「民にあって公を忘れず」という言葉もあった。今日まで130年を超える郵便局の歴史、その中で培われてきた思い、心、それは地域とのつながりなくして存在はあり得ない。

    今のような民営化が進んでいけば、従来の特定局制度はそこで終わりになる。もう後は、親睦団体としての全特、そういうものしかなくなってしまうのではないかという危機感を強くしている。

    やはり、公共性、公益性、一方における市場性をうまく両立していこうという仕組みの中で、しっかりの地域の振興・発展の為に、 また地域社会、地域福祉の向上の為に果たしてこられた役割、そこにこそ皆様の使命感と誇りがあると思う。地域に根差した郵便局というものをここでもう一度 取り戻す為に、私共も全力を尽くす。

    どうか、初心を忘れずに引き続き全力を挙げて闘っていただくよう、心からお願いする。

    2006年3月17日(金)総務委員会質問議事録

    2006年3月17日(金)

    中谷元委員長
    次に、亀井久興君。

    亀井久興委員
    国民新党の亀井久興でございます。
    朝から長時間にわたる審議で皆さんお疲れだと思いますが、最後の質問でございますので、もうしばらくご辛抱いただきたいと思います。
    まず竹中大臣、小泉内閣が発足をしてまもなく5年でございますが、その間、一貫して中心におられて大きな役割を担ってこられたと思います。小泉内閣、そ して竹中大臣もよく言われていることですが、官から民へとか、あるいは民間にできるものは民間にということをおっしゃられるわけでございます。私は国民生 活を支える上で必要な仕事というのは多種多様あると思いますけれども、民にできるものは民へ、そういう原理原則論だけではなかなか割り切れない、そういう 分野がかなりあるだろうと思っております。官と民が力を合わせなくてはいけない分野もあると思います。
    そういう意味で考えますと、私は公共放送であるNHKの存在そのものが原理原則でなかなか割り切れない、そういう存在ではないのかなというように思って おります。申し上げるまでもありませんが、NHKというのはもともと社団法人日本放送協会という民間法人だったわけでございます。民間法人であったNHK が今日のような公共放送として、官でもなければ民でもない、その中間的な存在の、いわゆる公という立場に立った公共放送というものになっている。そのことについてそれなりの背景と理由があるわけでございますが、そのことについて、まず大臣のご見解を伺いたいと思います。

    竹中平蔵国務大臣
    官から民へという言い方を簡単には致しますが、正確には民間でできることは民間で、そのことに尽きているんだと思います。ということは、民間でできないことがあるということです。ここらへんは私も非常に強くそのように思っておりますし、亀井委員にもご理解を賜って いると思います。
    非常にわかりやすい例が、やはりこれはNHKなんだろうなというふうに思います。そういう意味で通信・放送の改革の早い段階から公共放送は必要である、そして今の二元体制は重要であるということを明確に申し上げてきたつもりでございます。
    とりわけ日本において、世界にも色々な公共放送がございますが、やはりBBCとNHKというのが本当に世界に冠たる公共放送である、そういうものを持っ ている日本国民というのは、非常にある意味で幸せであるというふうに私は思います。だからこそNHKにもっとよくなっていただきたいという思いで、色々な 改革はしていかなければいけないと考えております。

    亀井久興委員

    大臣のおっしゃることはよくわかりますが、私はやはりNHKがこういう独特の立場を得るようになったというのは、それなりに歴史的な背景があると思うんです。
    戦前、ご承知の通り日本が戦争への道を歩んでいった、そのことに対してNHKがその道へ導いていったと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、国民に多大 の犠牲を与えることになった、その責任の一端はやはり私はNHKの報道にもあったというように思います。そしてまた戦争に入ってからは大本営発表を無秩序 に流した、そのことの責任も大きくあるだろう。そういう中で戦後、GHQの占領政策が色々行われたわけでございますが、農地解放とか財閥解体とかそういう ことが行われる、様々な民主化立法というものが行われる。そういう中で、新しい放送法に基づいて公共放送としてのNHKというものがスタートをした、そう いう経緯があろうと思います。したがって、やはり国家権力というものと公共放送としてのNHKというのは常に一定の距離を持つべきだというのが私の基本的 な考えでございます。
    今大臣、BBCの話をされました。私の親しいイギリスの友人は非常にBBCに誇りを持っておりまして、BBCというのは保守党からも嫌われているし労働 党からも嫌われているんだ、そういうことを言って、それこそがBBCのBBCたる所以なんだと言って、非常に誇らしげに話すわけでございます。
    ご承知のように、サッチャー政権の時にフォークランド紛争というのがありました。この時にBBCはかなりサッチャー政権を批判する報道をした。それでか なりサッチャー政権と緊張した関係にあった。その対抗措置として国際電波を止める、そういう強硬手段をサッチャー政権がとったことがあります。
    最近ではイラクの大量破壊兵器を持っているか持っていないかという疑惑のあった、そのことについて今度はブレア政権と厳しく緊張関係を持った。その時に 誤報があったということで、最終的には経営委員長とBBCの会長が辞任をせざるを得ない、そういう状況があったわけでございます。
    BBCの番組編成基準というものによりますと、対立をする意見があるような、そういう重要な問題については常にその双方から取材をする、そして複数の取 材をするということ、そしてまたどういう取材をしたかというメモをしっかり残すことになっております。ところが調べたところ、その取材メモがなかったとい うことで、誤報ということを対外的に認めたわけでございます。
    その時に内部で特別調査委員会を作って、そこでしっかりとその調査をしたということで幹部が辞任をしましたから、なんかBBCが敗北をしたかのように見 えますけれども、私は決してそうは思わないわけで、やはり自主自律、そういう考え方を貫いた、そして内部の調査委員会の調査結果というものを堂々と公表し て、きちっとけじめをつけた、そこにこそ私はBBCのBBCたるよさがあるんだというように思います。
    そういう報道の中立性、また政府、国家権力との距離をどう保つかということは、NHKにとっても大変重要な視点だと私は思いますので、そのことについての竹中大臣のご見解と会長のご見解を承りたいと思います。

    竹中平蔵国務大臣
    大変重要な、よいお話を賜ったと思っております。
    実は今のお話を聞いて一つ思い出すことがございますのですが、イングランド銀行のマービン・キング総裁、中央銀行のある種の見本ですけれども、お話しし ました時に、実は中央銀行の歴史は政府からの独立の歴史であったと。実はその時、マービン・キング・イングランド銀行総裁はBBCについても同じだという 話をされました。政府から独立して物事を考えるということが私は本当に必要なんだと思います。
    同時にこれはニーマン・ファンデーションというハーバードのジャーナリスト養成講座のトップが言っておられたことですが、常にジャーナリズム、メディア というのは権力からも距離を置いて、そして大衆からも距離を置かなければいけない、それがメディアの役割である。私は大変重い言葉であるというふうに思います。
    NHKにおかれてもそういう志を持って、しっかりと前に進んでいただけるというふうに思っております。

    橋本元一参考人
    NHKにとって大変役に立つといいますか、教訓にすべきお話をたくさんいただいたと思います。
    やはり私もBBCの幹部と色々意見を交換する中で、基本はジャーナリズム精神といいますか、これが基本だ、その上でいかに社会に対して納得を得る説明責 任を果たしていくか、こういうふうな取り組みも必要になってこようかと思います。これが双方ないと、やはりBBCもNHKも受信料という財源、これは視聴 者・国民の信頼の証でございます、ここにしっかりと結びついてこないということを話し合ったことがございます。
    基本的に我々、これから大変複雑な社会に変わっていこうかと思いますけれども、そういうふうな中で、いかにしてこの社会の規範となりますか灯台といいま すか、こういう役割をどう持てるか、日に日に追求して心掛けて参りたいと思いますし、その根幹となりますのは、やはり何人からの介入も受けない権力からの 中立といいましょうか、やはり公正公平、自主自律、この精神を守って今後とも努力して参りたいというふうに思います。

    亀井久興委員
    竹中大臣のお話がその通りであれば、大変私も安心なんでございますが、大臣が先般参議院の委員会でNHKの公共性を 論じられる時に、国の使命という観点から論じられたように伺っております。NHKは確かに特殊法人ではありますけれども、国の役割を委ねるという、代わり にやってもらうという、そういう多くの特殊法人とは、私は基本的にNHKというのは違うんだというように思います。
    ですから国家権力の肩代わりとしての国の役割を果たすというような、そういう意味で国の使命ということをまさかお考えになってはおられないと思うんですが、そのことをちょっと確認をしておきたいと思います。

    竹中平蔵国務大臣
    重要な点をご指摘いただいてありがとうございます。
    たしか私は国の使命というふうな言葉を使ったと思いますが、それは報道コンテンツを作るのが国の使命だという意味ではなくて、そういうしっかりとした独 立した公共放送機関が、しっかりとした基盤のもとで、まさに独立してやっていくような枠組みを準備することが国の使命である、そのような趣旨で申し上げた つもりでございます。ご理解賜りたいと思います。

    亀井久興委員
    わかりました。
    先程BBCの話の中で、経営委員会の果たす役割というものは非常に大きいということで、 BBCもこれからまたそのあり方を改めて考えていこうということのようですが、NHKにとっても、やはりいわゆるガバナンス、統治能力を高めていくという 視点からも、経営委員会の役割というのはますます大きくなってきている。また経営委員会がどういう視点でどういう議論をされ、どういう判断をされるかとい うことが、国民、利用者、受信者の間の多くの信頼のもとになっていると思います。
    したがって、経営委員会の今のあり方というのはもう少し考え直す必要があるんじゃないか、強化する必要があるんじゃないか。今の経営委員の方が立派じゃ ないとは私申しませんけれども、皆さんが兼任でやっておられるわけで、中には名誉職じゃないかなという受け止め方をされているところもあると思います。で すから私は経営委員会を強化して国民の信頼を高めていくということからすれば、専任の経営委員の方を置くということも考えていいんじゃないかというように 思いますが、その点について大臣、どのようにお考えでしょうか。

    竹中平蔵国務大臣
    実は私も総務大臣を拝命して、NHKの仕組みを改めて勉強させていただいて、経営委員が全員非常勤であるという ことを知りました。これは色々な経緯でそうなっているんだとは思いますが、やはりちょっと考えると、社外取締役は重要だけれども、ボードメンバーが全員社 外取締役の会社というのはあり得るだろうかと。これはやはり正直言いまして不思議な仕組みだなというふうに思っております。
    今日の時点では、もちろん私は結論は申し上げる立場にはございませんですけれども、その意味では委員と同じような問題意識を持っておりますので、ガバナンスをどのように強化するかというその議論の中で議論を深めさせていただこうと思っております。

    亀井久興委員
    もう時間がありませんので最後に一言だけ伺いたいと思いますが、竹中大臣の私的懇談会で色々な議論が進められておりますけれども、先般参考人質疑の中 で、他の委員がそれぞれその懇談会についての意見を求められたわけでございますが、その中で、やはり一つの選択肢としてはそういうこともあり得るかもしれ ないけれども、なかなかその実現可能な意見が集約されるとは思えないという参考人のご意見もあったわけでございます。
    大臣、何か6月の骨太方針の中にこれを反映させるんだというようなお考えもあるやに承っておりますけれども、果たしてそういう実現可能な考え方がその懇談会でまとまってくるというように思っておられるのかどうか、また骨太の方針との関係をちょっと最後にお伺いします。

    竹中平蔵国務大臣
    骨太方針との関係におきましては、私は次のように頭を整理しております。
    郵政民営化の時に色々と議論、本当に込み入った議論をさせていただきましたですけれども、やはり基本方針とそして制度設計と、しっかりと時間をかけて分けて議論をさせていただきました。
    もちろん今回、制度設計の議論というようなことは、とてもとてもそのような議論には至りません。しかし一つの方向性についてなんらか合意できるような問 題があるんであるならば、これは先生方にも是非色々議論していただいて、基本方針的なそういう方向性について政府としての考えをまとめることができれば、 それはそれでやはりよいことであろうかと思っております。
    これは制度設計というようなイメージからするとまだ先の話だと思いますが、しかし一歩ずつ歩を進めませんと改革はできませんので、可能な範囲でできるだけ基本方針的な方向について、なんらか結論が出るように努力をしたいと思っております。

    亀井久興委員
    終わります。

    中谷元委員長
    これにて本件に対する質疑は終局致しました。

    2006年3月2日(木)予算委員会質問議事録

    2006年3月2日(木)

    大島理森委員長
    これにて保坂君の質疑は終了致しました。
    次に、亀井久興君。

    亀井久興委員

    国民新党の亀井久興です。
    早速、質問に入りたいと思います。
    まずライブドアの問題に関してですけれども、先日来、国会が民主党の永田質問をめぐって大混乱を致しました。大変そのことは残念だと思っております。し かしメールが本物であったのか、本物ではなかったのかという、そうしたことにほとんど集中した議論になってしまって、物事の本質が私は隠されてしまってい るように思えてなりません。メールが本物ではなかった、そのメールを取り上げて質問をしたという永田議員の軽率な発言というものは、私はあってはならない ことだと思っておりますから、これはやはり議会の権威を守る為にもしっかり処理をしなくてはいけないと思っております。しかしそのことによってライブドア の問題が曖昧にされるということは、私は全くおかしなことだと思っております。
    今捜査が進んでおります。検察、そしてまた、もし起訴されれば当然司法の場でライブドア事件については解明されていくと思っておりますけれども、堀江氏 を、自民党の基本政策と全く反する、皇室典範に、天皇制に反対だとか、あるいは公的年金の制度に反対だとか、自民党の政策と全く反することを公言している 人を公認候補同様の応援をしたという、そのことに対して私はやはり大きな道義的責任、政治的な責任はあると思っております。
    先般の日経の記事で、政治家に関するアンケート、総理もお読みになったと思いますが、「政治家を信頼していますか?」という問いに対して、あまり信頼し ていないというのが56.1%、全く信頼していないというのが27.7%、合わせると実に83.8%が政治家を信頼していない、そういうことでございます。
    これは私は、議会人としても大変なことだなというように思っております。政府がいかにすばらしい政策を打ち出したとしても、政治家に対する、政治に対す る信頼が失われれば、国民の支持と協力というものは、これはもらえるはずがないと思っております。もちろん政府、また総理だけの責任ではありません。私ど もも当然反省すべきだと思っておりますけれども、やはりトップリーダーとしての責任というものは非常に大きいというように私は思います。
    先程保坂展人委員の質問を聞いておりまして、総理のご答弁、私は大変残念に思いました。成功者と見るかどうか、そういうことに対して、人生は長いんだか ら長い目で評価しなくてはいけない、そういうことを言われましたけれども、私は一生懸命努力をしたけれども失敗をした、何回も失敗をした、だけれども最後 には成功することもあるでしょう、そういう人を正しく評価するということは必要ですけれども、法律を犯した、そういうことで逮捕されている人、そのことに 対して総理が、やはりこれは成功者と言えるかどうかもわからぬと言わんばかりのお考えを述べられたということは、全くトップリーダーとしての自覚に欠ける のではないか、そのように私は思うわけでございます。
    私は金子議員でしたか、総理が先般マックス・ウェーバーの言葉を引用してお答えになった、政治家にとって大切な要素、洞察力であるとか情熱であるとか使命感であるとか、そういうことは必要なことだと言われました。その通りだと思います。
    そしてまた、施政方針演説の最後に総理は、幕末の思想家、吉田松陰の使いました孔子の言葉を引用されました。志士は溝壑にあるを忘れず、志を最後まで貫 くというその勇気と情熱を持たなくてはいけない、そういう意味だと思います。そして改革の歩みを止めるな、改革の流れを止めるな、そういうことも言われました。
    私は志の高さというものは大切なことだと思います。しかし吉田松陰は、同時に見識の高さということを大変強く説いた思想家であります。釈迦に説法ですか らよくご存じのことと思います。やはり見識というものが、トップリーダーとして何より大切だというように私は思っております。
    先般もお尋ねを致しましたけれども、改めてライブドア問題について総理の率直なお考えを伺いたいと思います。

    小泉純一郎内閣総理大臣
    ライブドア問題についてということでありますが、これは法に則って解明されるべき問題である。このライブドア事件によってどういう法的な問題があるか、改善すべき点があるか、あれば正していかなきゃならない問題だと思っております。

    亀井久興委員
    いや、私が申し上げたのは、そのことは当然、将来解明されていくべきものだと思っておりますということは申し上げたわけで、そのことではなくて、今起 こっております政治不信、政治家不信、そういうことに対して、やはり一連のこうした動きというものが影響を与えているというように私は思うものですから、 その政治に対する信頼回復ということに関連して、先般の選挙の応援等についても、それを含めてどのようにお考えかということを申し上げたわけです。

    小泉純一郎内閣総理大臣
    私は、必ずしも政治不信が今回のライブドア事件を引き起こしたとは思っておりません。
    政治不 信なり政治家不信というのは、世論調査で出てきているようでありますが、民主主義の世界ですから、政治家というのは常に批判にさらされます。どんな政治家 であろうが、何か嘲笑の対象になるような風刺漫画に載せられても日本は自由であります。けちょんけちょんに非難されても、これまた政治家というのは甘受し なくてはいけない。一方独裁国家というのは、政治家は非常に尊重されますね。
    でありますから、政治不信があるからといって、その国が悪いかということでもない。この政治不信を政治家が真摯に受け止めて、政治が信頼されるような政 策をとっていく、あるいは政治家が批判されるような行動を取るのならば、それを改めていくということで国民の理解なり信頼なりを獲得していくしかないな と。これは一朝一夕にできるものではありません。
    吉田松陰のような立派な英傑が若くして斬罪に処せられた。これに感憤して後に続く高杉晋作、伊藤博文等が明治維新に大きな役割を果たしたということを見 ましても、やはり志を持つということの重要性を、あの明治の時代で活躍した人達から学び取ることができると私は思っております。

    亀井久興委員
    時間がありませんので簡単に経済財政のことに触れたいと思いますが、内閣府が毎年「構造改革と経済財政の中期展 望」、いわゆる「改革と展望」というのを閣議決定された後発表されておりますけれども、昨年発表の試算ですと、もし5兆円の所得税増税を行った場合には、 景気悪化でデフレは進行し、インフレ率が0.44%下がる、名目GDPは7.1兆円も下がって、国、地方の債務のGDP比を1.2%増やしてしまう、こう いうことになっております。これは内閣府の試算に基づいているわけでございまして、また更に公共投資を5兆円減らした場合には、更に景気は悪化して名目 GDPを9兆円も減らしてしまう、そういうことになっている。
    増税とか歳出削減というものが景気を悪化させてデフレが進行する、そういうことが内閣府の試算からも読み取れる、そういうことでございますから、その線 に沿って緊縮財政一点張りではなくて、やはり景気回復の方に重点を置いて、税収を増やしていくという積極的な政策が今度の予算の中に盛り込まれていれば、 私はなるほどなと思うんですけれども、この内閣府の試算の方向と今度の予算とは全く矛盾するようなことになっております。
    それにも関わらず総理は今度、これからはデフレを脱却して経済成長を図っていくんだ、そういう答弁をこの間予算委員会でされている。竹中大臣も微妙に、この間総務委員会で伺っておりましたら、似たようなニュアンスの発言をされている。
    ですから政府が出している予算と内閣府の試算の方向というのが矛盾をしておる、それでまた更に、総理や竹中さんの言われていることとこの予算というもの が矛盾をしているというように私には思えますけれども、この点について与謝野担当大臣また竹中大臣、どういうように思われますか。

    与謝野馨国務大臣
    景気が悪いから、需給ギャップがあるから財政出動をして景気をよくしよう、有効需要を財政を通じて発生させようという考え方は、もはや古い考え方だという説がございます。私はもうそういう時代はたぶん去ったんだろうと思っております。
    今回の景気回復も、財政の手助けなしの景気回復でございまして、そういう意味では本物であろうと思っております。平成18年度の経済見通しは、実質で1. 9%、インフレ率0.1を乗せますと名目で2.0成長するということでございますが、これは財政の手助けなしに成長をするということでございますから、そ れは平成10年以前の景気回復とは全く違う性質の景気回復だと私は思っております。

    大島理森委員長
    よろしいですか。竹中大臣はいいでしょう。

    亀井久興委員
    はい。
    では終わります。

    大島理森委員長
    これにて亀井君の質疑は終了致しました。