民主党は政権交代の原点に帰れ。
カテゴリー» 政治レポート
8月6日(金)に臨時国会が終了した後、政界は夏休みに入っている。
先日行われた参議院自民党の会長選挙では、谷川秀善・中曽根弘文両氏の得票が40対40の同数になり、くじ引きの結果、中曽根氏が選ばれたが、一枚岩の結束を誇っていた参議院自民党の終焉を表す象徴的な出来事のように思える。
一方、与党の民主党は菅内閣が相変わらず逆走を続けている中で、来る9月14日(火)には代表選挙を迎えることになる。
最近は党内の各グループが夏の研修会を開くなど、各種会合が目白押しである。菅首相は既に再出馬の意思を明らかにしているが、その対抗馬が誰になるのか、それが1人に絞られるのか、複数になるのかを含めて現時点では混沌としている。
鳩山前首相が沖縄の米軍普天間基地の移転問題で指導力を発揮できず、国民の信頼を失って退陣した後、去る6月8日(火)に発足した菅内閣が7月11日(日)の参議院選挙の敗北により、有権者の支持を失うとともに、民主党内の求心力も急速に弱まってしまった。
もともと多くの国民は、民主党が政権担当能力を充分に備えているとは思っていなかった。だから仕方なしに長い間、自民党政権を支持してきたのだが、とうとうその我慢の限界を超えてしまった為に、昨年の衆議院総選挙において自民党に見切りをつけて民主党を選んだのだと思う。従って民主党は、そうした国民の声に政権政党として応えるべき重い、大きな責任を負っているのではなかろうか。
民主党の代表は与党のトップリーダーであると同時に、首相として行政府の最高責任者になるのだから、9月の選挙において代表になろうとする候補者は、自らの政治理念に基づく明確な国家像と基本政策を示し、国民の前で堂々と代表選を行わなければならない。そして選挙の結果、誰が選ばれても、その代表が明らかにした理念と政策の実現を目指して一致結束して民意に応えなければならない。
先般の参議院選挙で民主党は過半数の議席数を得られなかったが、それだからといって自民党が勝ったわけではない。比例区の議席数においても、選挙区の合計得票数においても民主党は自民党を上回っている。
今回の結果は、昨年の政権交代後、民意に応える政策の実現を目指そうとする姿勢が見えず、かつて自民党が繰り返した強権的な国会運営を同じように行うことに危機感を抱いた多くの有権者が民主党に与えた厳しい叱責であろう。
最近の報道機関の調査による政党支持率を見ると、民主党は当然下ってきているが、かといって自民党が上昇しているわけではなく、民意は決して自民党政権の復活を望んでいないことを示している。それだけに民主党は、昨年の政権交代時の原点に立ち帰り、その時に示された民意にもう一度謙虚に耳を傾けて再出発すべきであろう。
あの時、多くの国民が望んでいた政策の優先順位は、まず第一に速やかに景気を回復させ、雇用を拡大し、所得を増やす為の積極的な経済政策であり、次が将来の生活不安を減らす為の年金、医療、介護を中心にした社会保障制度の実現であった。その民意は現在も全く変わってはいない。
国際競争力が弱まり、国力がどんどん弱まっている中で国民生活を守る為には、政治に停滞は許されない。民主党の心ある議員諸兄が1日も早くこのことに気付き、国民不在の党内抗争を繰り返すことなく、9月に選ばれる代表の下で強力な内閣を作り、多くの国民が望んでいる政策の速やかな実現を目指して行動されることを心から望んでいる。
